楽天トラベル、10年営業利益100億円を達成−国際事業拡大へ意欲

  • 2011年2月16日
 楽天トラベルの2010年12月期連結決算(2010年1月1日〜12月31日)の売上高は前年比20.5%増の232億8400万円、営業利益は16.9%増の102億8500万円と好調に推移した。また、予約流通総額は20.0%増の約3660億円で、予約宿泊数は約3400万泊であった。楽天代表取締役社長兼会長の三木谷浩史氏は2月15日の決算会見で、楽天トラベルについて「100億円の水準に達し、成長の勢いは加速している」と評価。今後もさらなる拡大をめざし、アジアを始めとする国際事業展開を最重視するとの方針を示した。

 国際事業展開について楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は、世界各地で現地拠点の開設を進め、日本と海外のイン/アウトだけでなく、例えば韓国発韓国、韓国発海外といった旅行の取り扱いを見込んでいると説明。まずは、楽天トラベルが強みを持つ日本、中国、韓国、東南アジアで事業を拡大していく考えだ。

 また、岡武氏は営業利益100億円達成について、「コストカットを徹底したことが奏功した」とするほか、日本航空(JL)や全日空(NH)とのダイナミックパッケージや、JR東日本との連携による事業拡大も売上拡大に影響したと見ている。また、夏休みの家族旅行を中心としたレジャー目的の旅行の取り扱いも好調で、今後もこうしたレジャー需要を取り込むため、各施設への営業やコンサルティングを継続していく。


▽中国インバウンド取り扱い開始へ準備進む

 2011年度の営業戦略では国際事業展開に加え、インバウンド事業、地域振興、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の3点を掲げている。特にインバウンド事業では「中国の団体旅行取り扱いに向けた準備を進めている」(岡武氏)ところ。現在は、英語圏からのインバウンドが最も多く、次いで韓国、タイのFIT層が中心だが、「中国はパイが大きい」ことからインバウンドの重点市場ととらえており、現地旅行会社との提携も含めて多様な可能性を模索しながら取り扱い実現に向けて取り組んでいく。

 地域振興では、各施設と自治体と協力した取り組みや、地域から情報発信できる仕組みづくりについて検討しており、SNSではパソコンだけでなくスマートフォンへの対応を含めて取り組んでいく方針だ。