JLとAA、4月1日に共同事業開始へ−競争力強化ねらいスケジュールや運賃調整
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共同事業の対象路線は、日米間の10路線(詳細は下表)のほか、中国政府の認可が得られれば、北京/シカゴ、上海/シカゴ、上海/ロサンゼルスの3路線をも含めたアジア/北米間の全路線とする。また、両社の太平洋路線に接続する北米域内線とアジア域内線も対象とする。まず、2011年夏スケジュールから対象路線の運航スケジュールを順次変更。例えば成田/シカゴ線では、成田発時間が早い便をより早く、遅い便をより遅く設定することで各便の特徴を明確化。
これにより、シカゴでの乗り継ぎ利便性も向上。例えばJL便でシカゴ到着後、3時間以内で乗り継ぎ可能な便は43路線45便から45路線47便となる。シカゴ空港でのJL出発便の利用ターミナルをターミナル5からAAと同じターミナル3に変更することで、JLの成田便に2時間以内に乗り継ぎ可能なAAのシカゴ着北米線も、22路線22便から42路線44便に増加する。
さらに、AAのダラス線では成田着時間を調整し、到着後に乗り継ぎ可能な日本国内線とアジア路線が5路線から13路線に増加。ロサンゼルスとサンフランシスコ、バンクーバーの西海岸路線やニューヨーク線もスケジュールを調整するほか、コードシェア運航も羽田/シンガポール、羽田/香港、成田/バンクーバーの3路線を追加して利便性を向上する。
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▽運賃の柔軟性向上、2〜3月の共通運賃も先行発売
運賃では、共同事業の開始に先駆けて、2011年2月から3月の旅行で利用できる日本発の共通運賃「JAL/AA エコノミースペシャル」を設定し、1月11日に販売を開始。往路はJL便、復路はAA便といった旅程を利用できるもので、例えば東京発着のロサンゼルスとサンフランシスコでは燃油サーチャージ込みで6万9000円とした。
営業力の強化と体制の効率化も実施。対象路線の収入をプールすることで、どちらの便を販売しても利益につながるようにし、共同で旅行会社や法人に対して太平洋路線の営業活動を展開。北米と日本からの以遠路線も相互に販売する。また、JLのプレミアムエコノミーをAAが販売することも可能にする。なお、大西氏は、日本ではJL、米国ではAAに販売機能を一本化する可能性について「将来的には選択肢としてあるかと思う」としつつ、当面は「現勢力を維持」するとした。
このほか、マイレージの共同プロモーション、ウェブ予約やウェブチェックインの利便性向上、空港ラウンジの共有、財務やサービス、整備面でのノウハウの共有なども進める計画。さらに、今後も関係国の認可を前提に共同事業の対象路線を拡大し、利便性の向上と競争力の強化を推進する考えだ。