JATA、国際観光会議・世界旅行博2011は独自開催へ−運営はNHKアートに委託

  • 2010年12月24日
 日本旅行業協会(JATA)はさきごろ「JATA国際観光会議・世界旅行博2011(仮称)」の運営委託先の公開入札を実施し、NHKアートに委託することを決定した。JATAでは2003年以降、トラベルジャーナル(TJ)グループの株式会社世界旅行博と契約していたが、2010年で契約が終了することから委託先の選定を公開入札方式に変更。株式会社世界旅行博を含めて5社が応札していたが、株式会社世界旅行博は12月17日付けで辞退した。TJグループでは独自の「世界旅行博」を実施する方針を示しており、来年度以降はそれぞれのトラベルフェアが別々に開催される可能性がある。

 もともと、イベントとしての「世界旅行博」は、TJグループが1984年に消費者向けに開始。一方、JATAはそれに遡る1977年に業界向けの「国際観光会議トラベルマート」を始め、「世界旅行博」が始まった後は隔年で交互に開催していたが、BtoB、BtoCを合同で開催した方が効果的であると判断し2003年に統合していた。

 今回の決定についてJATA事務局長の長谷川和芳氏は、「BtoB、BtoCのイベントを最大限効果的に催すためにどういった対応ができるか」との観点から委託先を絞り込んだ結果と説明。これまでのTJグループとの8年間の取り組みを通じて長谷川氏は、「(TJグループの)実績や業界における位置づけは非常に高く評価し尊重している」と話す一方、今後トラベルフェア事業を中長期的に続けていく上で、実績だけでなく企画力や創造力などを含めて検討するため、また、一般社団法人に移行することから透明性を確保するためにも競争入札へ切り替えたと説明した。

 2011年度の「国際観光会議・世界旅行博2011(仮称)」はJATAの独自開催となるが、具体的な内容については現在詰めている段階。ただし、JATA理事長の柴田耕介氏は、「BtoBの強化、メディアの強化、異業種と旅行会社のコラボレーションの3点に取り組みたい」と述べ、この3項目を主軸にすえる方針を示した。例えば、BtoBの強化では、今年初開催し好評だった業界内の商談の場として「マーケットプレイス」を継続する予定で、メディアの強化としてはメディアデーを設けることも検討する。なお、フェアの名称は仮称とし、来年早々にも新しい名称を発表し、具体的な企画など詳細については2月頃に明示する予定。


※訂正案内(2010年12月24日 10時00分)
訂正箇所:第2パラグラフ第2文
誤:その後1997年にJATAが業界向けに「国際観光会議トラベルマート」を始め、

正:一方、JATAはそれに遡る1977年に業界向けの「国際観光会議トラベルマート」を始め、「世界旅行博」が始まった後は