アジア太平洋地区の航空運賃、レジャーとビジネス両方でプラス傾向に

  • 2010年12月22日
 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルの調査によると、2010年第3四半期(7月〜9月)のアジア太平洋全域における航空運賃は、レジャー渡航と業務渡航の双方でプラス傾向に転じた。同社では、世界的な金融危機による景気後退期の割引戦略に歯止めがかかり、回復基調にあるとみている。

 アジア太平洋地域全体の第3四半期の運賃は、すべてのクラスで全四半期との比較では横ばい傾向だが、前年比では平均2%上昇。このうち、日本については渡航先では国内が前年比1%減となったが、欧州・中東圏は5%増。また、運賃タイプでは、ビジネスクラス正規割引運賃が7%減となったものの、ファーストクラス正規運賃が5%増、エコノミークラス正規割引運賃が6%増となっている。

 アジア太平洋地区は特に第3四半期の後半に上昇し、大手航空会社の値上げが顕著だったという。今後も需要に対して供給量を抑える価格戦略が運賃の上昇を促しており、この傾向は短期的に続く見通しだ。また、新規航空機の発注状況から、中・長期的には供給制限は緩和されると推測している。ただし、日本については安定を保つ可能性がある一方で、羽田国際線の拡充による競争激化から、下落する可能性もあるとしている。

 なお、今回の調査は「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベル・モニター」によるもの。同社では、アジア太平洋地域の14ヶ国370都市から世界各国に渡航する便の往復運賃を追跡調査している。