ジャワ島、噴火の影響でボロブドゥールの立ち入り制限−ツアー中止継続も

  • 2010年11月17日
 インドネシアのジャワ島中部のムラピ山の噴火の影響で、ボロブドゥール遺跡への立ち入り制限が続いている。インドネシア共和国文化観光省によると、遺跡周囲の公園には立ち入り可能だが、遺跡自体への立ち入りは降り積もった約3センチの火山灰の影響で制限中だ。火山灰の除去作業のため、入場再開は1ヶ月以上先になる見込み。警戒地域となっている半径20キロ以内には今でも断続的に火山灰が降り続いており、警戒レベルは引き続きもっとも高いレベル4となっている。

 噴火の影響で閉鎖されていたジョグジャカルタのアジスチプト国際空港は11月20日まで引き続き閉鎖を延長する。再開は早くても11月21日以降の見込みだ。再開以前の渡航に関しては、ビジネスなどでジョクジャカルタ訪問が必須な場合、スラバヤのジュアンダ国際空港経由やソロのアディスマルモ国際空港経由で陸路での訪問が可能だという。なお、16日現在ジョクジャカルタ市内では市民は平常通りの生活に戻っており、市内から15キロ東にあるプランバナン寺院には被害も影響もないという。

 こうした状況を受け、旅行会社各社はボロブドゥール遺跡観光を含む旅行の催行中止を延長。日本旅行は遺跡観光がツアーのメイン、との考えから、11月23日に遺跡を観光する旅程のツアーまで催行中止を決定。遺跡への立ち入りが可能となるまで催行しない考えだ。ジャルパックは11月23日出発分まで催行を中止。近畿日本ツーリスト(KNT)は11月28日出発分まで、ジョクジャカルタ市内に滞在する全ツアーと遺跡を訪問するオプショナルツアーの催行を中止した。

 JTBワールドバケーション(JTBWV)とエイチ・アイ・エス(HIS)も11月30日出発分までツアーの催行の中止を決定している。JTBWVは現地発オプショナルツアーも11月30日まで中止する。また、HISは遺跡から数キロに位置するアマンジオでの滞在プランに関しては、火山灰の影響でホテルが閉鎖しているため、12月15日まで催行中止とした。

 なお、バリ島のツアーについては、催行は中止しておらず、各社とも特に目立ったキャンセルは発生していないという。