航空局次長、羽田の次の課題は再拡張−航空政策研究会のシンポジウムで講演

石津氏はまず現在進める航空行政について言及し、国土交通省成長戦略会議で打ち出された、羽田と成田の強化、オープンスカイの実施、自国から相手国を経て第三国へ輸送する「第5の自由」とよばれる以遠権を含む自由化など、6つの戦略を紹介。この戦略のもと、国土交通省では運賃の下限撤廃、チャーター便の個札販売の規制緩和を進めているところだ。
また、同成長戦略会議でも指摘された成田、羽田の一体運用で必要となるアクセス改善については、審議会を経て最短で50分で移動する案を出しており、今後は関係する地元との協議を進めていく。さらにLCCの参入促進では、成田で専用ターミナル建設が検討されているほか、全日空(NH)が関西空港を拠点としたLCC事業への参入を表明しており、今後活性化に向けてはずみがつくとの考えを示した。
その上で、羽田空港の課題3点については、国、東京都、大田区などで国際線旅客ターミナルビル近辺の土地利用案がまとまったことを紹介。まちづくりやホテルなどのエリア、そして再拡張を見据えたエリアは3年後の発着枠拡大にそなえたターミナルビル、スポット、駐車場の拡張用地の候補として検討していく考えを示した。
シンポジウムは「維新を迎えたわが国の航空〜羽田空港への期待と果たすべき役割〜」をテーマにして開催。パネルディスカッションでは東京都副知事の猪瀬直樹氏がパネリストとして登壇し、現在の羽田国際化や成田との一体運用を評価しつつ、「C滑走路の延伸に5年もかかる。スピード感がない」などとして、政府の早急な対応がなければ日本の経済成長や外客誘致につながらないと指摘した。