カナダ、日本人30%増、CTC改組で業界重視の姿勢鮮明に−Showcase開催

  • 2010年10月15日
(北京発:本誌 松本裕一) カナダ観光局(CTC)は10月14日(現地時間)、北京で第2回となる「ショーケース・カナダ(Showcase Canada)」を開幕した。これは、2008年まで日中韓の3ヶ国で開催していた旅行業界向け商談会を2009年に集約したもの。今年はインドを加えた4ヶ国を対象とし、日本の旅行会社からは54名のバイヤーが参加。セラーは86名が集まった。

 CTC日本代表のアンソニー・リッピンゲール氏は開幕にあたり、「2010年の日本人訪問者数は7月までの累計で前年比30%増。非常に好調で、セラーに対して日本市場の重要性を再度知らせる良い結果」とコメント。その上で、「2011年も成功を継続できる」とし、活発な商談に期待を示した。

 今回、日本からのバイヤーは昨年より減少したものの、リッピンゲール氏は開催地が中国であることが理由と説明。むしろ、日中間の政治不安がある中で「質の高いバイヤーを迎えることができた」と評価した。また、4ヶ国を同時に対象とすることで、以前と比べてセラーにとっての費用対効果が向上することもメリットとアピール。中国市場への期待もあり、今回は実際に初めての参加というセラーも多くなった。


▽カナダ観光局、世界規模で運営体制を変更、業界向け予算増加へ

 CTCは現在、日本を含めて全世界的な運営体制の改革を進めている。カナダにとってのインバウンドの最大市場の一つであるアメリカ向け予算を半減し、削減した1600万米ドルを長距離、かつ成長性の高い国に振り分けるほか、一部の国では運営効率の向上のため、GSAに業務を委託する。

 リッピンゲール氏によると、GSA化は欧州の一部で、「日本市場を重視する姿勢は変わらない」という。ただし、リッピンゲール氏が今後ロンドンで欧州市場を統括することになるため、現在後任の人選を進めているところ。 日本オフィスの陣容も変更するという。

 また、日本向けの予算は維持しつつ、その配分を変更。特に、旅行業界向けの予算について、2008年は全体の約25%、2009年は約33%であったところを65%に拡大。リッピンゲール氏によると、「カナダへの送客のうち、80%は旅行会社を経由している」ためで、CTCとしての広告など消費者への直接的なアプローチから、旅行会社とのタイアップによる展開にシフトする方針だ。

 なお、現在のところ後任の人事は決定しておらず、11月下旬から12月上旬をめどに発表したい考えという。