ANTA会員実態調査、第3種の募集型企画旅行取扱や業者間契約も対象に

  • 2010年10月15日
 全国旅行業協会(ANTA)は10月14日に第145回理事会を開催した。この中で、ANTA関東地方協議会議長を務める鈴木明治氏が2010年度6月に実施した会員実態調査について結果を報告。今回の調査では新たに、第3種旅行業者の募集型企画旅行の実施状況や、大手旅行業者等との特約店制度契約状況といった項目を追加。全体としては、従業員数や受注型企画旅行の実施などのほか海外旅行の取扱い、旅行形態別の売上比率、ニューツーリズム商品の取扱いなど全19項目を調査。今回の調査結果から会員の現状を把握し、今後の取り組みに活かしていく。今回の調査は正会員5541社のうち2191社から調査票の提出があり、全体の提出率は39.5%となった。

 新項目のうち、第3種の募集型企画旅行実施状況では、調査対象となる第3種会員3069社のうち調査票の提出があった1171社中1161社から回答があり、地域限定の募集型企画旅行を「実施している」と回答したのは全体の8.6%にあたる100社であった。この結果について鈴木氏は、「観光立国に向けて、地元の観光協会や地元物産協会と協力した商品作りもおこなわれている」と話し、「まさに地元の素材を利用した旅としてもっと大きくしていってもらいたい」と今後の伸びに期待を示した。

 また、大手旅行業者等との特約店制度契約については、個々の商取引となり調査項目に加えることを懸念する声もあったが、昨年から契約金を増額する業者もあり、現時点での会員状況把握のため実施し、674社が回答した。このほか、海外旅行の取扱いでは、1051社が「取扱いあり」と回答しており、全体の48.0%を占めた。取扱い地域では韓国がもっとも多く、中国、台湾、ハワイ、グアムと続いた。ニューツーリズム旅行商品の取扱いでは、418社が回答しており、文化観光、産業観光、エコツーリズムの取扱いが多かった。最近ではNPO法人や観光協会といった公益団体などの会員登録が増えてきており、今後も何を目的に旅行するか、という体験型の商品の取扱いが増えると予測される。