ギリシャ、“アラサー”世代の認知度向上へー安全、安心の回復もアピール

  • 2010年9月29日
ギリシャ政府観光局はこのほど、旅行会社とメディアを対象にセミナーを開催した。7月22日に新しく日本・韓国地区局長に着任したフォティニ・ナク氏は、「日本市場に、ヨーロッパの他の国とは違うギリシャならではの魅力を浸透させたい」と意気込みを語った。
 
 ギリシャを訪れる日本人旅行者は、これまでシニア層が多かった。ナク氏は今後の方針として「28歳から30歳を対象にキャンペーンを展開する」と説明。特に、ラグジュアリーなデスティネーションのイメージを打ち出す方針で、例えば、青い空と海や真っ白なビーチを背景に写真撮影できるサントリーニ島での挙式の後、世界中から有名人が集まるミコノス島のミシュラン級レストランで食事し、プライベート・ジェットやヨットを手配してハネムーンを過ごすといった旅行スタイルを紹介する。

 ただし、従来どおり世界遺産のアピールも継続し、夏だけではなくウィンターシーズンも楽しめる、通年のデスティネーションとして認知度を向上したい考えだ。さらに、「エーゲ海を望むゴルフ場」や「“シンポジウム”という単語が生まれたアクロポリスでの国際会議」などもギリシャの持つ一面とし、多様性の紹介にも意欲を示した。

 また、ナク氏はギリシャの経済危機や、それに端を発した5月の紛争について触れ、「この2年、旅行業界にも大きな影響があった」としつつ、「ギリシャの弱点が浮き彫りになり、今後何をすべきかが明らかになった」と説明。その上で、「現在のギリシャは落ち着いていて、旅行者は安心して安全に観光できる。ギリシャ人の多くは英語を話し、日本人と同じくらいフレンドリーで観光客をもてなすのが好き」と、旅行しやすさを強調した。

 なお、ナク氏は、2010年末までにエーゲ航空(A3)がルフトハンザ・ドイツ航空(LH)とのコードシェアにより、ミュンヘンまたはフランクフルト経由で成田/アテネ線の運航を開始する予定で、関空/アテネ間への就航も予定されているとした。