ベトナム航空、座席増加で日本人旅行者数好調−中部の観光促進に注力

  • 2010年9月28日
 ベトナム航空(VN)はこのほどベトナム観光セミナーを開催した。セミナーではVNの下期の増便や販売プランを案内し、ベトナム観光総局とダナン市がデスティネーションの魅力を参加者に訴えた。

 ベトナム観光総局ツーリズムマーケティング部のトラン・ポン・ビン氏によると、2009年の外国人旅行者数は前年比10%減の377万人だったが、今年は約35%増の500万人となる見込みだ。日本人旅行者数も2007年の41万人を超える43万人となることを期待しているという。日本旅行業協会(JATA)のVWC2000万人推進室担当部長の築沢完寿氏は、好調の要因としてVNの座席数や地方からのチャーター便の増加を挙げた。

 VNでは現在、日本から週46便、日本航空(JL)とのコードシェアをあわせて週60便をベトナムへ運航しているが、11月からは中部/ホーチミン線を週3便に増便するなど座席供給量を増やす。VN日本支社旅客営業部次長の青木英雄氏は「日本の主要マーケットに十二分な座席供給を行っていくことで、今後のセールスの展開をはかる」と意気込みを語った。

 また、VNが力を入れて打ち出しているベトナム中部については、ベトナムダナン市政府代表部アドバイザーの鈴木利和氏によると、日本人観光客はベトナム全体の10%未満の4万人にとどまっており、日本の旅行会社から課題として、客室の供給量、日本語ガイド不足などが挙げられているという。鈴木氏は、ダナン市にカジノ付き全500室のシルバーショアーズがオープンし、今後もマリオット、ハイアット、シェラトンなどインターナショナルチェーンのホテルが次々とオープンするなど、客室数が増加傾向にあることをアピール。また、日本語ガイドも100名育成中で、既存ガイドの語学力向上のほか、ホテルやショップでの日本語対応の充実といった言語環境の改善もはかっているという。

 さらに、鈴木氏はボランティア、マラソンやトライアスロンなどのスポーツイベント、文化交流といった「見る観光から参加をする観光」を提案した。今後は旅行会社と協力して参加、体験型の観光商品を創出し、ベトナム中部の更なる観光促進をねらう考えだ。


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