ジャルパック「家族修学旅行」始動−大西社長、旅行離れなど課題解決に意欲

  • 2010年7月21日
 ジャルパックは、2010年度下期商品から特別企画「家族修学旅行」を設定する。これは、小学校高学年から中学生の子どもがいる家族をターゲットに、学びの要素に焦点を当てたもの。若者の海外旅行離れに危機感を持った同社代表取締役社長の大西誠氏の発案で、幼少期の海外旅行の拡大をはかるとともに、多様性の理解を促進する内容とし、日本人の国際化にも寄与したい考え。まずはソウルと上海の2コースのみの設定で、目標も各コース20名と控えめだが、すでに「家族修学旅行」を商標登録しており、「(海外旅行離れの解消や国際化などの点で)10年後に効いてくる。定番化したい」と意欲を示した。

 デスティネーションは東アジアに限定。これについて大西氏は自身の体験も踏まえ、日本と歴史や言語、文化などの面で共有するものの多い隣国であり、「同根の文化」であることが多様性の理解につながりやすいためと説明。また、海外旅行離れの解消などの目標に向け、他社にも同様の取り組みを働きかけたい考えで、日本航空(JL)を含めて多数の航空会社が日本各地に直行便を就航していることもメリットとした。今回は韓国と中国だが、今後は香港や台湾でも検討したいという。

 今回の2コースはそれぞれ3日間と4日間の日程を用意。例えばソウルでは、現地の大学生と一緒に地下鉄に乗ってソウルの街をまわったり、地元の中学生が放課後の学校を案内したりする企画を設定。また、キムチ作りの体験なども盛り込んだ。最少催行人員は6名で、旅行代金はソウルが7万9800円から、上海が6万9800円から。いずれもランドオンリーのプランも用意している。

 なお、定番化に向けては、学校や親の理解を得られるよう啓蒙を続けたい考え。また、観光庁などにも働きかける方針だ。他社についても、ジャルパックの考えに沿った内容の商品であれば「家族修学旅行」の商標の使用を認めるなど、旅行業界全体での取り組みに育てたいという。


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