トラベル懇話会、夏期セミナーで情報交換、アンチエイジング旅行の可能性も

  • 2010年7月15日
 トラベル懇話会は7月2日と3日、八ヶ岳高原ロッジで第32回夏期セミナーを開催した。初日は40人の参加者一人ひとりが現状を報告。大きな変化のなかにある旅行業界の方向性を示す、様々なヒントを得られる情報交換の場となった。

 このなかで副会長の田川博己氏(ジェイティービー社長)は、「海外旅行はインターネットでの手配旅行が注目されているが、旅行会社としては新鮮な商材を開発しながら、新しい時代の企画で勝負する主催旅行にも前向きに取り組むべきである」と語った。インバウンドについては、在外の日本大使こそ観光大使の役割を果たすべきであるとの持論を展開。空港整備や中国観光客のビザ問題などにも触れて、旅行業界のリーダーとしての立ち位置を示した。

 翌日は、ガイド付自然観察ツアーとメインイベントの講演会を開催。アンチエイジングネットワーク理事長の塩谷信幸氏(北里大学名誉教授)が「心の年齢 体の年齢」をテーマに講演した。「老化とは何か」から、老化防止の具体的な処方や具体例など、多角的な視点や医学的な見地から豊富なデータや実例が掲げられた。会場から多くの質問も出て、成功裡に終了した。

 終了後、セミナー委員長の西川敏晴氏(ダイヤモンド・ビッグ)は「旅行企画の可能性や海外での実例もあげられたが、日本でアンチエイジングの旅行企画を実現するには、日本の市場にあわせたアイデアが必要だと思う」とした上で「何よりも、会場の皆さんが自分自身の問題として身を乗り出して聞き入っていたその興味の強さこそが、企画化の原点であるのではないか」と総括した。

 なお、会長の糟谷愼作氏(西武トラベル)は開会挨拶のなかで、「この夏を最後に7年間務めた会長職を退任する」と表明。後任は9月の総会までに明らかにされる予定だ。