夏休みの海外旅行人数、景気回復基調で8%増の244万人−JTB推計

  • 2010年7月5日
 ジェイティービー(JTB)がまとめた夏休み(7月15日から8月31日)の旅行動向調査によると、夏の総旅行人数は前年比4.1%増の7646万人となる見通しだ。海外旅行人数は8.4%増の244万人、国内旅行人数は4.0%増の7412万人となる予想だ。景況感の改善とともに消費者の旅行意欲が高まってきていることで、リーマンショック以降の景気の低迷による旅行者数の減少に歯止めがかかり、大きく回復する見込みだ。

 燃油サーチャージを含む海外旅行消費額は11.7%増の5336億円となる予想。企業業績が回復基調になり、夏のボーナス支給額が微増となったことから、消費者の支出への意欲が高まっているとの分析だ。アンケート結果でも「支出を増やしたい」が3.6ポイント増の13.9%で、旅行に行かない理由でも「景気が悪い」は4.7ポイント減の20.6%、「家計の制約」は0.5ポイント減の21.6%となり、経済的な理由で旅行を控える消費者が減少したことがうかがえる回答となった。


▽海外旅行、中国が大幅増の見込み、円高傾向でヨーロッパも好調

 海外旅行の方面別では、上海万博が開催中の中国が14.8%増の41万8000人と大きく増加する見込み。また、円高ユーロ安、英ポンド安により、ヨーロッパが注目を集めているという。なかでもスイスやドイツ、フランスなどの観光地を周遊するツアーが人気を博しているようだ。ヨーロッパ方面など遠距離方面の旅行比率が増加することから、1人あたりの海外旅行平均費用も3.0%増の21万8700円と増加が見込めるという。そのほか、ハワイが10.4%増、グアム・サイパンが10.8%増と人気で、近距離の韓国も9.7%増の40万8000人と昨年に引き続き好調だ。

 このほか、3月から中東系航空会社が成田に就航したことも、ドバイ、トルコ、ヨーロッパ方面の旅行への関心の高まりに寄与している様子。夏のチャーター直行便については羽田発着のグアム、ハワイチャーターが手軽さから人気を博しているという。

 なお、方面別の旅行者予測は下表のとおり。