スポーツ・ツーリズム推進会議、実証実験に向け課題、具体策を検討

  • 2010年6月29日
 観光庁が中心となり、スポーツ観光促進のためのビジネスモデルを考える関係省庁、関係団体の組織「スポーツ・ツーリズム推進連絡会議」は6月25日に第2回会合を開いた。スポーツツアー造成、チケッティング改善、国際化・国際交流、施設魅力化・まちづくりの4つのワーキングチームがそれぞれスポーツ観光推進のための実証実験案や課題を報告。この案をもとに活発な意見交換を実施した。観光庁は第3回会合までにさらに具体的な内容をつめ、7月下旬から9月にかけて実施する考え。また、会合でとりまとめた内容は8月下旬の概算要求へ反映する。

 スポーツツアー造成ワーキングチームでは、観る、するに分けて実証実験案と検証のポイントを提示。観る観光では、野球やサッカー、柔道などのスポーツに新たな価値を加えることを提案。たとえば、野球が好きな台湾などのアジア圏からの観光客を対象に、試合終了後に野球選手との記念撮影やバックグランドツアーなどを実施。国別対抗、家族対抗などの要素を加え、トライアスロンや自転車レースに参加してもらう。いずれも、各地方の食や体験プログラム、温泉などと組み合わせることができる。ここから、ツアー、競技観戦、参加、チケット手配、宿泊など細かく満足度を調査しリピート要素と改善ポイントを洗い出すという。

 国際化・国際交流ワーキングチームは、国際スポーツイベント支援に向けた包括的なプラン策定、施設魅力化・まちづくりワーキングチームは東京を世界大会開催地、大阪をアジア大会開催地と位置付けて環境整備に乗り出す案を提示。チケッティング改善ワーキングチームは、外国人のスポーツ観光に関するデータ収集や海外顧客市場マーケティングのためのプラットフォームづくりを提案した。

 また、いずれのワーキングチームでもマーケティングと情報発信が必要であるとの考えは共通であることから、どの分野のスポーツであっても横断的に取り組むべきとの姿勢を示した。