09年度の海外旅行事故発生率は過去最高、新型インフルで旅行費用変更が増加

  • 2010年5月25日
 ジェイティービー(JTB)グループのジェイアイ傷害火災保険によると、2009年度(09年4月〜10年3月)の海外旅行保険契約者の事故発生率は3.03%(前年:2.84%)となり、過去最高を更新した。これは、33人に1人が事故に遭遇したことになり、発生率は年々増加している。支払い項目で多いのは、治療費や医療搬送費用などを補償する「治療・救援費用」(45.6%)、「携行品損害」(35.3%)、「旅行事故緊急費用」(13.4%)で、この3項目で全体の94.3%と大半を占める。この傾向は例年通りだが、2009年度は新型インフルエンザの影響で「旅行変更費用」が全体の割合では1.2%と少ないものの、前年と比べて254.9ポイント増加した。

 契約者の渡航先で多いのは1位がアジア、2位が北米(ハワイ含む)、3位ヨーロッパだが、発生率の高い地域は1位が北米(ハワイ)、2位がヨーロッパ、3位がアジア。治療・救援費用が300万円以上の高額になった重大事故事例は38件あり、北米(ハワイを含む)が15件、ヨーロッパが11件、アジアが8件、オセアニアが2件、アフリカが1件、中南米が1件だ。最高額はニュージーランドで肝膿瘍、敗血症、腎不全と診断されて30日間入院し、医師・看護師の付き添いのもと医療搬送した事例で、2042万89円であった。