JATA、10年度苦情件数は実質増加−細かい相談多く消費者以外からも増加傾向

  • 2010年5月20日
 日本旅行業協会(JATA)によると、2009年度の消費者からの苦情件数は前年比18.6%減の3025件となった。ただし、前年の2008年度は3716件だったが、普門エンタープライズやゲートウェイ21、エキスプレス・トラベルなどをはじめとする倒産関係が1478件と多く、これらを差し引くと09年度は22.2%増となり実質的に増加している。消費者以外からの照会件数は、消費者センターが55.8%増の742件、旅行業者が18.2%増の1318件と増えており、消費者から細かい事例での相談が多いためJATAへ問いあわせるケースが多いと分析する。JATAでは相談を受ける際の注意点として、初期対応でしっかりと内容を聞き取っておくことをあげる。細かい内容であっても最初の対応によって相談が長引く傾向にあるためだ。また、ネット経由で契約した人の苦情件数が2008年に比べて倍増。2008年も30%増となっており、年々増加傾向にあることがわかる。新型インフルエンザ関連の苦情は200件であった。

 2010年2月、3月の消費者からの苦情件数は、2月が前年比17.6%増の221件、3月が69.3%減の255件。2月は取消料や申込み、契約についての相談が増えた。3月は、前年に普門エンタープライズの倒産があり831件と大幅に増加。ただし、普門エンタープライズ関連を差し引くと44%増となり実質増えている。

 具体的な事例では、割安な商品に申し込んだ後、旅行会社から電話でオーシャンビューの部屋であれば追加代金で手配できると連絡があり、その内容で依頼したが、パンフレットを確認すると追加代金の記載がなく、結果的に高い旅行代金になってしまったため、商品内容をもとに戻そうと連絡したところ取消料を請求されたという。パンフレットに案内がない場合は、旅行会社は新たに取引条件説明のための書面が必要だ。それも交付されてない場合は、オーシャンビューの部屋への変更は成立しているとはいいきれないため、取消料は請求できないという。