ニッコウトラベル、09年度は営損1.7億円、売上高27%減−新中計で黒字化へ

  • 2010年5月12日
 ニッコウトラベルの2010年3月期(2009年4月1日〜2010年3月31日)の連結業績で、売上高が26.8%減の35億5200万円と大きく減少し、営業損益も1億6700万円の赤字(前年:6900万円の黒字)となった。経済危機や新型インフルエンザの影響で市場環境が悪化したことが影響した。また、ドナウ川の渇水やペルーの水害などの要員によるツアーキャンセルも売り上げの減少につながった。ただし、経常損益は1億700万円の赤字(同:1億5200万円の黒字)であるものの、純損益は1億4400万円の赤字(同:4億9100万円の赤字)となり、赤字幅が縮小した。

 旅行関連の実績では、企画旅行の販売額が26.6%減の34億797万円で、手配旅行は32.7%減の1億2792万円。顧客の年齢分布は前年とほぼかわらず、60代以上が全体の約95%を占めた。取扱人数は19.6%減の5326人で、リピーター比率もほぼ変わらず0.9ポイント減の73.2%となった。

 方面別の取扱人数は、主力の欧州が28.7%減の2978人となったほか、北米が40.9%減の397人、オセアニアが25.1%減の176人となるなど長距離方面が苦戦。一方、アジアは68.7%増の1093人と大きく伸びた。

 なお、2011年3月期(2010年4月1日〜2011年3月31日)は、売上高が26.7%増の45億円、営業利益が5000万円、経常利益が1億3000万円、純利益が1億1700万円の予想。景気回復の兆しや新型インフルエンザによる旅行の手控えの反動などにより需要は回復に向かうとの分析のもと、新中期経営戦略により顧客満足度を高め、販売の拡大をねらう。4月のアイスランドの火山噴火による影響は織り込み済みで、概算で1億2000万円分がキャンセルになったという。


▽新中計、新規顧客の取り込みと顧客満足度の向上めざす

 ニッコウトラベルでは、2010年4月から2013年3月までを対象年度とする新中期経営戦略を策定。特に、65歳以上の新規顧客の取り込みと、顧客満足度の向上を課題として掲げる。

 具体的には、セレナーデ号を利用した商品を新聞広告などで新規顧客にアピールするほか、欧州でのスーパーリラックスカー利用と連泊中心の旅程など、他社商品との差別化を強化する。また、旅行説明会で新規見込み客に対する丁寧な対応を徹底し、今まで以上に「顔の見える営業」を実施する。

 このほか、社内の顧客管理システムを活用してニーズを反映した商品を提供するほか、より的確な顧客対応と効率の良い手配業務を提供できるよう業務フローを見直す。さらに、社員教育の充実や添乗員の育成も進める方針だ。