カナダ観光局会長、具体的イメージ訴求で誘客へ−カルガリー線も追い風に

  • 2010年4月12日
 このほど来日したカナダ観光局(CTC)会長のスティーブ・アラン氏は4月9日、業界紙向けのプレス説明会で、カナダのイメージを具体化して日本人訪問者数の増加をはかる考えを説明した。アラン氏は、「カナダには安全性や清潔さ、移動のしやすさなど良いイメージがある」としつつ、「食事やワインなどの体験型のニーズがカナダでは満たされないような誤解もある」と指摘。こうした「知られていないカナダ」を、旅行会社やメディアを通じて消費者に訴え、訪問を呼びかけたい考え。

 「知られていないカナダ」の例としては、世界遺産もその一つ。「カナダには15の世界遺産があるが、カナダ国内でも充分に認識されていない」とし、「世界遺産は(国の)宝であり、きちんと打ち出していきたい」と語った。こうしたイメージの具体化に向けては、旅行会社向けのセミナーやメディア露出を継続し、消費者にアプローチしたいという。

 なお、日本市場は現在のところ、1月から3月は「15%から20%の伸び」で回復の兆しがあるという。CTCでは2010年の日本人訪問者数の目標を前年比50%増の30万人としているが、景気が回復傾向にあることやエア・カナダ(AC)が成田/カルガリー線に就航したこと、オリンピックでの注目などもあわせて、「達成は充分に可能」と意欲を示した。


▽アルバータ州、カルガリー線の通年化に向け活動強化

 アルバータ州観光公社役員会会長のクインシー・スミス氏は、「日本は非常に重要な市場だが、日本人訪問者数は減少してしまっている。マーケティングやプロモーションを強化する必要がある」と言及。その上で、ACのカルガリー線の通年化につながるよう活動を強化したいとした。

 活動を強化する際の方策としては、アラン氏のイメージ具体化の案に同意。例えば、カナディアンロッキーのイメージだけでなく、乗馬やゴルフ、ウォーキング、ロッククライミング、食事、ワインなどカナディアンロッキーでできる様々なアクティビティや魅力を伝えていきたいという。また、そのためにも、CTCや他の州の観光局と連携したセミナーなどで包括的なアピールをすることが重要と語った。