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ビバマカオが運航停止、日本人100名以上足止めか−マカオ政府は手厚い対応

 マカオ政府は3月28日、ビバマカオ航空(ZG)の営業免許を取り消したと発表した。燃油費の支払いが滞ったため燃油の供給が止まり、26日から一部の便が欠航。26日のマカオ発成田便も14時25分発の予定が翌27日の9時頃に出発したという。その後も欠航が続いたため、営業免許の取消に踏み切った。3月29日現在、航空機のリース契約も解除されている模様。これにより、ZG便に搭乗予定であった各国の旅行者が足止めされる事態となり、日本人も100名を超える旅行者が帰国できなくなっている可能性があるようだ。

 在香港日本国領事館によると、現地で待機する日本人旅行者の数は現在のところ把握できていない。「ZG便を仕入れていた旅行会社は少なかった」ものの、例えば「ある会社は集計の途中で、(その会社が送客している日本人旅行者が)今後数日で150名に達するかもしれないといわれている」という。領事館としては、すでにマカオ民航局長官と電話で連絡をとっているほか、30日にはマカオを訪れて現状を確認する予定だ。

 マカオ政府では、観光局内に危機管理室を設けて対応にあたっており、ホットラインも設置。ZG便の運航停止により影響を受けたすべての旅客に対して宿泊費用と代替便の航空運賃を負担を決めるなど、観光への影響を最小限に留めるため、外国人旅行者に対してサポートを提供している。航空券は、マカオ航空(NX)の成田線と関空線や、香港や台北、中国本土経由での手配を進めているという。

 大手旅行会社では、エイチ・アイ・エス(HIS)が「数十名足止めされている」ところで、このうち16名は29日に香港経由で帰国することが決まったという。また、ZGは個札販売も実施しており、ジェイティービー(JTB)が「エアオンの6名」が現地で待機中。2社ともにマカオ支店で対応しており、今のところ大きな混乱は発生していないという。また、今後ゴールデンウィークに向けた募集をはじめている会社もあり、近畿日本ツーリスト(KNT)では数十名の予約者に代替案を案内しているところだ。

 一方、ZGは3月29日に「事前通告もなく突然営業免許を取り消され、非常に驚いている」とする声明を発表。免許取り消しにより、成田とシドニー、メルボルン、ジャカルタ、ホーチミン、ハノイの33便を運航できなくなり、合計4739名が影響を受けることになるという。現在は関係各所と問題解決に向けて話し合いを進めているといい、搭乗予定であった旅行者に対しても払い戻しをする姿勢を強調した。

 なお、ZGは2007年12月に成田/マカオ間のプログラムチャーターを週2便で開始。2009年9月には週4便に増便し、日本人旅客を倍増させたい考えを示すなど積極的に展開してきていた。この増便と同時期にZGの日本地区総代理店(GSA)契約を終えたヒューマンネットワークでは、「我々はお客様に迷惑をかけることは絶対にしないことを社是とし、それを実行していただけに非常に残念」とコメント。日本旅行業協会(JATA)がチャーターコーディネーターの設置を検討するなど、今後チャーターの活用が期待される中での影響も懸念される。