サンケイツアー、売上倍増めざす−独自性高い「メディア版パッケージ」で勝負

  • 2010年3月26日
 産経新聞開発の海外旅行部門「サンケイツアー」は2010年度、売上高の目標を2009年度の倍に設定する。同事業部は2009年2月17日設立で、産経新聞などサンケイグループが発行する媒体の読者をターゲットに海外旅行を販売するメディア系旅行会社。初年度である2009年度は、上期の売上高が厳しい環境の中でも予算を70%上回るなど順調に滑り出し。2010年4月1日から人員を現在の倍に増員することから、売上高も倍増をめざす。

 サンケイツアーゼネラルマネージャーの吉田雄一氏は、2009年度は各社が価格競争を繰り広げるなか、ビジネスクラス利用など高付加価値型の商品を設定したことがターゲットのニーズに合致したと見る。また、「他社と同じことをしても勝てない」との考えから、メディア販売ながら「ツーアップから出せて延泊やホテル変更などを受け付ける、いわばパッケージツアーのメディア版」を中心に展開したことも支持につながったとの分析だ。

 また、体制面も強化してきており、今月10日にはIATA代理店の資格を取得。現在は外国航空会社10社と取引しており、日本航空(JL)の減便による影響をさけるため、チャーター便利用商品も効果的に活用したい考えだ。人員は、事業部設立時の2名が現在は6名に増え、4月1日付けで12名に増員する。

 2010年度は、目標達成に向けて高付加価値型商品の比率を高めるほか、サンケイグループの資源を最大限活用。例えば、産経新聞開発の国内旅行部門「サンケイ旅行会」がウォーキングや登山ツアーでリピーターを獲得しているといい、万里の長城でのウォーキングや済州島・ハルラ山の山登りなどをテーマにした商品で需要を喚起したい考えだ。また、サンケイスポーツ読者向けにはシンガポールでのG1レース観戦ツアーなども予定。さらに、産経新聞の文化事業と連動した企画なども展開していく。

 なお、これまでのところアジアが中心だが、2010年度はアメリカとキューバへの送客に取り組む方針だ。