観光活性化フォーラム
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TCSA、労働派遣法改正で制度理解促進へ−トラブル・事故の対応など蓄積も

  • 2010年3月26日
 日本添乗サービス協会(TCSA)は3月23日、第24回通常総会を開催し、2010年度の事業計画などを決定した。事業計画では、4項目に重点的に取り組む。1点目として、新政権による労働派遣法の改正に向けて現場の制度理解を働きかける。改正後も添乗員は登録型派遣禁止の対象とはならないものの、具体的に何が変化し影響があるのかなどをとりまとめて冊子を作成し、現場などでの情報共有につなげたい考えだ。2点目としては、ペルーで発生した水害など添乗員同行ツアーでトラブルや事故に遭遇するケースが少なくないため、どのように対処したかをデータや資料として蓄積するといった仕組みづくりも進める。

 さらに、3点目として研修事業を強化する。2009年は、初級・中級・上級コースの研修を全国5ヶ所で12回実施したところ約800名が受講しており、2010年度は開催地を3ヶ所増やすなど拡充する予定だ。また、4点目では、消費者に対して添乗員同行ツアーの魅力をアピールする需要喚起策についても検討する。

 このほか、国内宿泊旅行での時間管理については一部大手旅行会社が導入したものの、時間管理の徹底が必ずしも添乗員の処遇改善につながっていないといい、導入した旅行会社の動向を見ながら課題を整理していく方針だ。

 なお、TCSA会長の山田隆英氏は通常総会後の会見で、平城遷都1300年や上海万博、羽田空港拡張などを挙げ、「昨年は厳しい年だったが今年は明るい材料がある。いい年になるだろう」と期待を述べ、「添乗員の役割は変わらない。質の高い添乗員の提供に努めると同時に、待遇改善についても努力していきたい」と挨拶した。