KNTツーリスト（KNTT）が学校法人佐野学園の神田外語グループと業務提携し、2008年4月1日付けで「KNTツーリスト神田西口外語学院前営業所」を開設してから約1年間が経過した。提携は、神田外語学院国際観光科の学生が同店舗で実習して人材育成をはかる内容で、5月11日から11月16日の期間に9班26名が実習を経験。KNTブランド戦略室広報（KNT広報）によると、「旅行業が学生にとってより身近になった」ことなど教育効果にくわえ、KNTTとして人材育成のノウハウを蓄積できといった成果があがっているという。

　学生はパンフレットの押印、補充、店内清掃、JR券などの発券や払い戻し、航空券などの予約、国内旅行のプラン作成と提案、カウンター体験、店頭チラシ配布などを体験。カウンター体験では学生は接客せず、KNTT社員の接客を見学した。体験した学生のアンケートでは、「笑顔が大切だと再確認した。笑顔といっても何種類もあって単純なものではないと思った」「実際に店頭で見学したり現場で働く人の話を聞くことができ、座学と現場の違いを勉強できた」といった声が聞かれ、KNT広報では、「学生にとって旅行業がより身近なものになった」と評価する。実習で人気が高かったのは、は1番が旅行プランの作成、2番が店頭体験であったという。

　KNTTのノウハウとしては、時刻表のひき方や発券、プラン作成など実習メニューごとに学生の反応をみながら教育方法を検証。例えば学生が最も苦手とした時刻表のひき方では、電車の時刻をインターネットで調べるのが一般的になった世代にとっては時刻表の存在から理解に苦しんでいることが判明。これに対してKNTTでは、地図から調べる、ある路線を始発駅から終点まで見るといった使い方ができ、欄外の豆知識やトクトクきっぷなどの知識を身に付けられるツールとしての魅力を教える必要があると分析している。

　なお、2009年度の販売実績では出張などでのJR券取扱などが多かったため、今年は周辺企業のグループ旅行や、学生旅行などの取り込みを強化する方針だ。


※訂正案内（編集部　3月19日　10時10分）
神田外語学院の校名を誤って表記しておりました。お詫びするとともに訂正いたします。