観光活性化フォーラム
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休暇分散化、産業界も賛成姿勢−第2回会合、慎重意見も

  • 2010年3月4日
 観光立国推進本部は3月3日、休暇分散化ワーキングチームの第2回会合を開催し、産業界からヒアリングをおこなった後、議論を展開した。座長を務める国土交通副大臣の辻元清美氏は冒頭、「休みをずらすことで多くの人が旅行に行きやすくなる。ただし産業界や教育界などに影響を与えることになるので、意見をもらいつつ進めたい」と挨拶し、忌憚ない意見交換を実施することで実効的な制度をめざす考えを示した。

 会合ではまず、事務局長である国土交通大臣政務官の藤本祐司氏が休暇分散化パターンを提示。休日を増やすのではなく分散させることを原則として、春と秋に大型連休を設置する案を示した。ゴールデンウィークの休日3日間を地域別に分けるものと、海の日、敬老の日、体育の日を3日間まとめて地域ごとに分散する秋の大型連休創設の案だ。藤本氏は、「最終案ではなくたたき台」と話し、活発な意見を求めた。

 これに対して日本経済団体連合会は、休暇分散化に「賛成」としながらも、業種や業態によって様々な懸念材料があると発言。運輸、鉄道業では平休日のダイヤや料金体系、全国展開する製造業などでは工場の生産体系で調整や見直しが必要と指摘した。一方で、企業の休日には従来通り労使自治を基本として、可能な限り地域休暇にあわせるよう努力するとの考えだ。ただし、各種システムや手続き、就業規則や労使協定見直し、国民への周知などに対し、十分な時間が必要だと述べた。

 日本商工会議所は賛成する姿勢を示したものの、一律した制度で強制するような休暇に抵抗があるという。全国中小企業団体中央会でもほかの2団体と同様な懸念材料を挙げ、修業規則や設備更新、生産計画、営業体制の変更でコスト面の負担が増えることも触れた。いずれも実施するまでの周知徹底や準備期間の設置については必要との見解を示した。


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