スペシャリスト・インタビュー:ユーラシア旅行社 福永智之さん
知的好奇心を満たすテーマ性高いツアーで130ヶ国へ
創業以来、旅行者の知的好奇心を満たすツアーを提供し続けているユーラシア旅行社。社名はユーラシアですが、世界130ヶ国をカバーする多彩な商品をそろえています。遺跡、自然、伝統文化、芸術といったテーマ性のある旅を観光第一主義で貫き、キャンセル料半額制度をはじめとする旅行者目線のサービスを徹底しているのも特徴。そんな同社に入社して10年となる福永さん。近年は1人の画家を取り上げる、よりテーマ性の強いツアーやホームページのコンテンツ作りなどに力を入れているとか。同社の個性的な理念や現在関わっている仕事の内容などを伺いました。
ユーラシア旅行社
第二企画旅行事業部 第一企画旅行部課長
福永智之さん
2009年度(第5回)デスティネーション・スペシャリスト スペイン・ポルトガル認定
2009年度(第5回)デスティネーション・スペシャリスト イタリア・マルタ認定
Q.御社は直販の旅行会社なのですね
創業当初から直販に徹しています。リテーラーを通さないのでコミッションがなく、その分ツアー代金が高くなることもありません。当社では、いくつかの担当チームを設けており、そこで企画から添乗までを社員が一貫して行います。そのため、ツアー内容を熟知したスタッフが接客にあたり、営業を担当し、現地に同行します。
Q.だから徹底したお客さま主義を貫けるのですね
はい。営利目的の免税店やみやげ物屋に案内せず、観光に重点を置いているのはもちろん、添乗する社員は現地で毎日手作りの観光レポートを配ったり、帰国後に集合写真をお送りするなどしています。また、当社では「キャンセル料半額制度」も設けています。テーマ性のあるツアーが多いため参加者は早い段階で申し込まれるので、キャンセルはよほどの事情がある場合が多いからです。
また、天災や政情不安、火事や洪水といったハプニングに対する追加費用も弊社が負担しています。こういったケースは多くないですが、こうした場合の変更に伴う費用は、通常お客さまが負担することになっています。しかし、当社が扱っている国によっては、悪天候で飛行機が飛ばなくなると、次の日や、場合によっては3日先の変更となることもあり、大幅な旅程変更を余儀なくされることもあります。もっとも、航空機の遅延やスーツケースの未着といったよくあるアクシデントや、傷害、疾病、救援といったお客さま個人に関わることは、保険の加入によって備えていただいています。
Q.入社の動機と社内での担当について教えてください
実は旅行に強い思い入れがあったわけではないのです。ただ、旅行というものを考えたとき、よくあるパッケージツアーに参加したのでは、その国を知ったことにはならないだろうと思っていました。1つの国に10日間、15日間と滞在し、現地の人々や生活に触れ、観光地以外の場所や物を見て、はじめてその国を知ったといえるのではないかと思うからです。そういう意味で、ユーラシア旅行社の旅のスタイルに興味を持ちました。
入社後は中近東、次に東欧、現在は主に南欧を担当しています。入社当初は営業から企画・添乗までくまなく担当し、失敗も重ねながら経験を積んでいきました。当社のお客さまはリピーターが多いので、一度ご一緒したお客さまと違うツアーで再会することもあり、「成長したね」なんて声をかけられるとうれしかったですね。
Q.どの地域を担当しても高い知識が求められますね
はい。お客さまはその国やテーマについてよく知っている方が多いので、企画はもちろん、添乗する際も現地にガイドがいるとはいえ、勉強が必要です。当社は創業当初からデスティネーションとしてマイナーな国も扱っているので、そうした国の情報をデータベース化し、まずはそれを熟読します。単なる観光概要ではなく、気をつけた方がいい場所、料理が出てくるのが遅いレストラン、トイレの場所といったことまで載っているので役立ちます。ただ、添乗に出る前は、いわゆる添乗ブルーといいますか、何度やっても不安が募りますね。1回1回真剣勝負という緊張感があるためでしょう。
Q.昨年DSを取得されたのはなぜですか
2008年にこうした制度があることを知ったのですが、すでに締め切りを過ぎていたので昨年受けました。添乗の度に各国の勉強をしてきましたので、DSに向けた特別な勉強はしませんでしたが、ショッピングの項目は苦戦しました(笑)。
DSは業界内では知られてきましたが、活かす場所がないなと思っています。というのも、一般のお客さまには知られていないので、アピールできないからです。
Q.現在はどのようなお仕事をされているのですか
2010年はイタリアの画家、カラヴァッジョ没後400年の年なんです。そこで、ローマで開催される特別展にご案内したり、多摩美術大学の教授と同行できるツアーを設定しました。ローマのモノ6日間のコースからイタリアを南下する12日間のコースまでいろいろありますが、12日間の「カラヴァッジョの道」は好評で、追加ツアーも設定しました。
また最近は、当社のホームページのコンテンツ作成に携わっています。いまやホームページに商品を羅列しているだけでは、お客さまに興味を持っていただけません。動画やフラッシュ、ブログ、ツィッターなどを駆使し、商品を探していなくても楽しめるサイトにしたいと思っています。ぜひ一度当社のサイトにお立ち寄りください。
ありがとうございました
<過去のスペシャリスト・インタビューはこちら>
創業以来、旅行者の知的好奇心を満たすツアーを提供し続けているユーラシア旅行社。社名はユーラシアですが、世界130ヶ国をカバーする多彩な商品をそろえています。遺跡、自然、伝統文化、芸術といったテーマ性のある旅を観光第一主義で貫き、キャンセル料半額制度をはじめとする旅行者目線のサービスを徹底しているのも特徴。そんな同社に入社して10年となる福永さん。近年は1人の画家を取り上げる、よりテーマ性の強いツアーやホームページのコンテンツ作りなどに力を入れているとか。同社の個性的な理念や現在関わっている仕事の内容などを伺いました。
ユーラシア旅行社
第二企画旅行事業部 第一企画旅行部課長
福永智之さん
2009年度(第5回)デスティネーション・スペシャリスト スペイン・ポルトガル認定
2009年度(第5回)デスティネーション・スペシャリスト イタリア・マルタ認定
Q.御社は直販の旅行会社なのですね
創業当初から直販に徹しています。リテーラーを通さないのでコミッションがなく、その分ツアー代金が高くなることもありません。当社では、いくつかの担当チームを設けており、そこで企画から添乗までを社員が一貫して行います。そのため、ツアー内容を熟知したスタッフが接客にあたり、営業を担当し、現地に同行します。
Q.だから徹底したお客さま主義を貫けるのですね
はい。営利目的の免税店やみやげ物屋に案内せず、観光に重点を置いているのはもちろん、添乗する社員は現地で毎日手作りの観光レポートを配ったり、帰国後に集合写真をお送りするなどしています。また、当社では「キャンセル料半額制度」も設けています。テーマ性のあるツアーが多いため参加者は早い段階で申し込まれるので、キャンセルはよほどの事情がある場合が多いからです。
また、天災や政情不安、火事や洪水といったハプニングに対する追加費用も弊社が負担しています。こういったケースは多くないですが、こうした場合の変更に伴う費用は、通常お客さまが負担することになっています。しかし、当社が扱っている国によっては、悪天候で飛行機が飛ばなくなると、次の日や、場合によっては3日先の変更となることもあり、大幅な旅程変更を余儀なくされることもあります。もっとも、航空機の遅延やスーツケースの未着といったよくあるアクシデントや、傷害、疾病、救援といったお客さま個人に関わることは、保険の加入によって備えていただいています。
Q.入社の動機と社内での担当について教えてください
実は旅行に強い思い入れがあったわけではないのです。ただ、旅行というものを考えたとき、よくあるパッケージツアーに参加したのでは、その国を知ったことにはならないだろうと思っていました。1つの国に10日間、15日間と滞在し、現地の人々や生活に触れ、観光地以外の場所や物を見て、はじめてその国を知ったといえるのではないかと思うからです。そういう意味で、ユーラシア旅行社の旅のスタイルに興味を持ちました。
入社後は中近東、次に東欧、現在は主に南欧を担当しています。入社当初は営業から企画・添乗までくまなく担当し、失敗も重ねながら経験を積んでいきました。当社のお客さまはリピーターが多いので、一度ご一緒したお客さまと違うツアーで再会することもあり、「成長したね」なんて声をかけられるとうれしかったですね。
Q.どの地域を担当しても高い知識が求められますね
はい。お客さまはその国やテーマについてよく知っている方が多いので、企画はもちろん、添乗する際も現地にガイドがいるとはいえ、勉強が必要です。当社は創業当初からデスティネーションとしてマイナーな国も扱っているので、そうした国の情報をデータベース化し、まずはそれを熟読します。単なる観光概要ではなく、気をつけた方がいい場所、料理が出てくるのが遅いレストラン、トイレの場所といったことまで載っているので役立ちます。ただ、添乗に出る前は、いわゆる添乗ブルーといいますか、何度やっても不安が募りますね。1回1回真剣勝負という緊張感があるためでしょう。
Q.昨年DSを取得されたのはなぜですか
2008年にこうした制度があることを知ったのですが、すでに締め切りを過ぎていたので昨年受けました。添乗の度に各国の勉強をしてきましたので、DSに向けた特別な勉強はしませんでしたが、ショッピングの項目は苦戦しました(笑)。
DSは業界内では知られてきましたが、活かす場所がないなと思っています。というのも、一般のお客さまには知られていないので、アピールできないからです。
Q.現在はどのようなお仕事をされているのですか
2010年はイタリアの画家、カラヴァッジョ没後400年の年なんです。そこで、ローマで開催される特別展にご案内したり、多摩美術大学の教授と同行できるツアーを設定しました。ローマのモノ6日間のコースからイタリアを南下する12日間のコースまでいろいろありますが、12日間の「カラヴァッジョの道」は好評で、追加ツアーも設定しました。
また最近は、当社のホームページのコンテンツ作成に携わっています。いまやホームページに商品を羅列しているだけでは、お客さまに興味を持っていただけません。動画やフラッシュ、ブログ、ツィッターなどを駆使し、商品を探していなくても楽しめるサイトにしたいと思っています。ぜひ一度当社のサイトにお立ち寄りください。
ありがとうございました
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