JATA、ウェブ取引の信頼向上訴え−セミナー開催、会員から高い注目

  • 2010年2月25日
 日本旅行業協会(JATA)は2月24日、「インターネットを利用した旅行取引に関するガイドライン」について解説するセミナーを開催した。JATA理事・事務局次長の米谷寛美氏は冒頭の挨拶で、「インターネットでの旅行取引の拡大にともなって、関連する苦情もたいへん増えている」と紹介し、「ウェブサイトは、いわば新しい営業所。(ガイドラインに沿った)しっかりとしたサイトを作って頂ければ」と語りかけた。

 セミナー開催の背景には、他業界や海外の旅行会社の参入により、ウェブサイトの記載内容が不十分であるなど、利用者への配慮が行き届いていないケースがあり、それが「業界全体の信頼低下につながる」(米谷氏)ことへの危惧がある。そして、逆に会員のウェブサイトの信頼性を向上すれば、利用者に選ばれるようになるとの期待もある。このため、「e-TBT(電子旅行取引信頼)マーク」の取得を促進したい考えで、現在約80社の取得社数を増加することで消費者の認知向上をねらう。

 セミナーでは、JATA「IT・e-TBT部会」委員の岡本憲始氏が講師を務め、ガイドラインの説明とサイト運営上の留意点を紹介。特に、「予約の流れ、契約の流れをわかりやすいところに表示する」「掲載ミスがあった場合は、関連するデータもチェックする」ことなどが重要とした。また、場貸しサイトなどに関する苦情では企業側が“責任放棄”しているケースもあるといい、「率先してサービスする」姿勢が差別化につながると指摘。その上で、「e-TBTは旅行会社の活動を制限するものではない」とし、e-TBTの求める要件を満たすことは利用者に安心感を与えられ、さらに旅行業法など関係法令の遵守にもつながることから、結果的には「(取得した会社が)守られる」とアピールした。

 なお、セミナーは当初2回設定したものの、すぐに定員に達したため3回目を追加設定。JATA担当者にとっても予想を上回る反響であったといい、2月24日も約100名が出席しており、注目の高さがうかがえた。