DS模擬問題:カンボジア編 長い歴史を刻むアンコール遺跡群

  • 2010年2月15日
問 以下の遺跡のうち、アンコール・トムに含まれるのはどれか

A トマノン
B プノン・バケン          
C タ・ケウ             
D ピミアナカス            
                         
                        
――正解は下記へ
                                     
                                      
                        
ココに注目!


▽クメール建築の至宝、アンコール遺跡群

 カンボジア観光のハイライトとなっているアンコール遺跡群は、1992年にユネスコの世界文化遺産に登録され、毎年世界各国から多数の観光客が訪れている。遺跡巡りの拠点の町となるシェムリアップでは、近年ホテルの開発が急ピッチで進められており、ゴルフコースを併設したソフィテル・ロイヤル・アンコール・ゴルフ&スパ・リゾートをはじめ、ル・メリディアン・アンコール、アマンサラ、ラッフルズ・グランドホテル・ダンコールなど、デラックスホテルの選択肢も充実してきた。

 アンコール遺跡群のなかでもシンボル的存在なのが、カンボジアの国旗にも描かれているアンコール・ワットだ。12世紀前半にアンコール王朝のスールヤヴァルマンII世によって建設された寺院はクメール建築の最高傑作といわれ、回廊に施された壮麗な壁面彫刻も見逃せない。ジャングルの中に忽然と姿を現す遺跡の全容を眺めるために、地上200メートルの高さから遺跡を眼下に一望できるアンコール・バルーンが運行されている。また、高さ60メートルの丘の上に築かれたピラミッド状遺跡のプノン・バケンは、夕日に染まるアンコール・ワットを遠望できる絶景スポットとなっており、夕方になると丘を登る人の姿が絶えない。


▽城塞都市の様子を伝えるアンコール・トム

 アンコール・ワットの北に位置するのが、“大きな町”を意味するアンコール・トムで、アンコール王朝の最盛期を築いたジャヤヴァルマンVII世によって12世紀末に建造された。一辺が3キロメートルにおよぶ城壁で囲まれた城塞都市の姿を今に伝えており、内部には中央に位置するバイヨン寺院をはじめ、王宮、ライ王のテラス、象のテラスなど、見どころは尽きない。王宮の敷地の中央には遺跡ピミアナカスがあり、かつては王族のみに許された儀式の場として使われていた。

 アンコール・トムの広大な敷地内をゾウに乗って観光するエレファント・ライディングをはじめ、電動式自転車のレンタルサービスも用意されている。ほかにも、乾季のベストシーズンには、バイヨン寺院において伝統舞踊や楽器の生演奏、ライトアップ観賞やクメール料理のディナーなどが味わえる神秘の祭典「アンコールナイト」が上演されるので、通常の観光とは違った視点で遺跡を楽しむことも可能だ。また、シェムリアップの中心地からアンコール・ワットへ向う途中にあるアンコール国立博物館では、遺跡から出土した彫刻や仏像をはじめ、8つのテーマ別に分かれたギャラリーで遺跡について分かりやすく解説している。遺跡巡りの前後に立ち寄り、知識を深めるのに格好のスポットといえるだろう。なお、博物館にはレストランやカフェ、ショップが入るモールが併設されている。




▽小規模でも興味深い寺院遺跡が点在

 アンコール・トムの城壁のすぐ西に位置しているのが、トマノン、チャウ・サイ・テヴォーダ、タ・ケウの各遺跡だ。スールヤヴァルマンII世によって12世紀初頭に建造されたトマノンは、フランス極東学院によって修復工事が行われたため、建設当時を偲ばせる寺院の様子が復元されている。トマノンとほぼ同時期に建設されたのがチャウ・サイ・テヴォーダで、赤い彩色の残る浮き彫りのレリーフを見学することができる。一方、タ・ケウは、ジャヤヴァルマンV世により11世紀初めに建設されたものの、王の死後建設が中断され、未完のままの状態で今に至っている。そのために、積み上げられた石材には彫刻はほとんどなく、他の遺跡に比べると異彩を放っているが、建築の仕組みを知る上では興味深い遺跡となっている。

 なお、アンコール遺跡群への入場券「アンコール・パス」は、1日券(20米ドル)、3日券(40米ドル)、7日券(60米ドル)の3種類が販売されているが、2009年7月から利用条件が変更されている。これにより、従来は連続した日付での利用のみとなっていたが、3日券は発行日から1週間以内の3日間分、7日券なら発行日から1ヶ月以内の7日間分の利用が可能となった。





正解:D