KNT、海外団体復活に全力、40%増へ−ホリデイは新体制でスピード感

  • 2010年2月10日
 近畿日本ツーリスト(KNT)は、2010年を海外団体旅行復活の年と位置づけ、取扱人数前年比40%増の達成をめざす。2月9日に開催した「大8回大海外旅行交流コンベンション」の場でKNT専務取締役の越智良典氏は、「2009年の海外旅行は、取扱人数は増えたものの売上が伸びなかった。特に海外団体は約25%減少しており、KNTの業績悪化の大きな要因の一つ」と説明。その上で、「今年(の目標)は海外団体の復活、これしかない。日本を元気にするためにも頑張りたい」と意気込みを示した。

 KNT執行役員の權田昌一氏によると、現在「団体の見積件数が増えてきている」といい、その内容も、「安いスケルトンのものばかりでなく、内容の濃いものが増えてきている」ところ。「まだトンネルの出口とはいえないが、明かりらしいものは見えている」との認識で、こうした追い風を有効に活用する考えだ。

 また、2010年はハワイを含めて長距離デスティネーションが伸びると分析しており、見積の依頼でも増えているという。KNTでは、今年からヨーロッパでの仕入方法を変更したといい、權田氏は「団体でも勝負できる料金でホテルが取れるようになる」と語った。


▽ホリデイ、通年16%増へ−上海万博など「イベント」も強化

 ホリデイも、1月の組織改正を背景に16%増の45万人の取り扱いをめざす。組織改正では、商品造成のスピード増を目的として、東京地区に企画造成部門を集約。これにより、「ランドやホテルの仕入を一ヶ所に集中して、一度に商品を作る」(執行役員の田口久喜氏)ことができるようになり、上期商品も「従来は東京のあとに大阪、名古屋を造成していたが、全国一斉に発売することができた」という。

 また、上海万博などで攻勢をかけ、「イベントに強いKNT」(權田氏)の復活もめざす。すでにバンクーバーオリンピックは「目標をはるかに超えている」(同)ところで、ワールドカップ南アフリカ大会の取り扱いも順調。ハワイの「まつりインハワイ」でも昨年を上回る送客をめざす。

 なお、2009年に実施した台湾送客キャンペーンは9万人の目標を達成。權田氏によると、2010年は重点デスティネーションだけでなく団体旅行のキャンペーンなども検討しており、2月中には決定する予定という。


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