新生「JALパック」、顧客目線の高品質な旅を提案−上期目標取扱8%増めざす

  • 2010年1月27日
 ジャルパックは2010年度上期商品から、AVA(アヴァ)とI’ll(アイル)を「JALパック」に統合し販売を開始した。消費者にとって浸透度が高く馴染みのある「JAL」ブランドを打ち出すことで、日本航空(JL)グループの旅行商品であることをアピールするとともに、顧客のニーズやわかりやすさを追求していく。1月26日に開催した商品発表会見でジャルパック代表取締役社長の大西誠氏は、「消費者の声を商品に活かし、JALパック品質を提供していく」と言及。2010年度上期は前年比8%増の18万3600人の取扱いをめざす方針だ。

 商品展開では、期首商品として6ヶ月設定する「JALパック」、その中でも高付加価値型商品の「JALパックセレクション」、3ヶ月ごとなどタイムリーに発売する価格競争力のある「JALパックスペシャル」の3カテゴリーを設けた。「JALパックセレクション」では、特に強化方面のハワイ、ヨーロッパ、バリ島で別冊パンフレットを用意。また、品質向上と企画の充実、記念日旅行、あたらしい旅をテーマにした商品をラインナップした。選任コンダクターやスーパーTC同行商品だけでなく、中国と韓国の現地ガイドには来日研修を実施するなどサポート体制も強化する。

 ヨーロッパセレクションでは、利用ホテルの確約や1名でほぼ2席を利用できる専用バスを使用。ハワイセレクションでは、到着後すぐに宿泊部屋に入れるダイレクトチェックインを実施する。また、バリ島セレクションでは「チャハヤ・バス」を新たに運行し、滞在中追加代金なしで乗り放題とする。ハワイでも、ジャルパック独自の「ワイキキ・レインボー・トロリー」を1日40本から104本に増加。このほか、誕生日や結婚、退職など記念日を一生の思い出にできるように特別なアレンジを組み込んだ「記念日旅行」や、ブータンや観光制限のあった中国の旅順への旅行を「あたらしい旅」として商品化した。


▽大西社長「ジャルパックを通じて販売面でJALグループに貢献」

 大西氏は会見の中で、再建中のJLグループの一員として「JLの座席をいかに活用しながら顧客に納得いただける商品を提供できるかを問われている」と述べ、「ジャルパックを通じて販売面で貢献していきたい」と強調した。さらに人員削減については、「JALグループの一員なので、今後グループ全体のリストラの影響を受けざるを得ないと思う」とコメント。その上で、「事業ドメインの見直しや効率化は、どんな環境下でもおこなうのが経営。いい旅を現場現場で作っていける体制は維持して効率化をはかっていきたい」と語った。また、消費者に選ばれる商品を造成することで販売代理店にも選ばれる商品になるとし、「販売代理店にとってもわかりやすく販売しやすい商品を追求したい」と述べた。

 なお、2009年の取扱人数は34万6400人となる見込みだ。