アクセスランキング、日本航空の再建が新局面に−1位はJTBの欧州展開

  • 2010年1月23日
[総評] 今週は、ジェイティービー(JTB)の欧州展開についての記事が1位になりました。会社更生法の適用を申請した日本航空(JL)の記事でなかったことは少し意外でしたが、おそらく一般紙を含めて膨大な量の情報が入手可能であったためでしょう。JLの再建に関しては、昨年夏ごろから様々な噂や報道が相次ぎ、政府側の対応も二転三転しましたが、ようやく一段落しました。

 国土交通大臣の前原誠司氏がかねて強調されていたように、「飛び続けること」を非常に重視した体制がとられています。商取引やリース取引の債権、航空券、マイレージ、発行済みの株主優待券が保護され、外務省を通じて外国政府にも理解と協力を求めています。また、国際航空運送協会(IATA)からもBSPなどの取引が円滑に進むことをアピールする文書が発出されました。

 会社更生法適用申請の翌日、テレビのニュース番組でJL便の搭乗者の方が「あえて乗りました」とコメントされていたのが印象的でしたが、全体的にJLを応援する空気がでてきているように感じます。航空局長の前田隆平氏に「公平な競争関係」を求めた全日空(NH)など、競合する航空会社からすれば複雑な部分もあるでしょうし、実際に公平性は必ず確保されなければならないと思います。

 しかし、それでも旅行業界紙で働く身として、JLが「最後のチャンス」(JL西松遙社長)を生かして復活を果たしてほしいと思うのが偽らざる気持ちです。日々サービスを丁寧、確実に提供し続け、お客様の信頼を勝ち得ていくことで3年後の再建が実現されるよう心から願っております。

 なお、1位のJTBの記事は、JTB Europeグループとツムラーレグループの経営統合を進める内容で、日本でのアウトバウンドとインバウンド、国内旅行だけでなく、海外発海外に取り組む戦略の一環です。「オペレーターとしては世界最大のネットワーク」(JTB田川博己社長)を自負するJTBですが、日本とは勝手の違う市場で発需要を取り込むためには、その市場の「勝手」を知る現地旅行会社との連携が不可欠。当然、2008年のツムラーレ買収もそれをねらったもので、実際に今後の経営統合によってどの程度効果を発揮できるかに注目したいと思います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年1月第4週:1月18日2時〜1月22日18時)
第1位
JTB、欧州事業の経営統合を推進、発・受けを事業ユニット化−人事異動も(10/01/19)

第2位
日本航空、安全・安定運航維持、KBほか旅行子会社債権も保全−2年で黒字化へ(10/01/20)

第3位
日本航空が会社更生法申請、西松氏「再び日本を代表する強い航空会社に」(10/01/20)

第4位
JALホテルズ、「シーホークホテル福岡」の運営を終了(10/01/18)

第5位
エア・アジア、日本就航は2010年内目標−「羽田が望ましい」(10/01/19)

第6位
トップツアー、全国7支店を再編−営業体制強化の一環で(10/01/19)

第7位
ジャルパックなど、事業継続を強調−IATAも信用不安払拭ねらう(10/01/21)

第8位
主要旅行会社、11月の海外旅行取扱額は19%減、パッケージ参加人数は8%増(10/01/18)

第9位
シンガポール航空、A380をチューリッヒ線に導入−世界7都市目(10/01/18)

第10位
日本航空、「ドラえもんジェット」を運航へ−映画30周年、特別ツアーも(10/01/18)