JTB中部、多言語観光推進に向けた実証実験を開始−訪日外客の利便性向上へ

  • 2010年1月12日
 JTB中部はこのほど、駅探、情報通信研究機構と共同で、中部圏の多言語観光推進プロジェクトの実証実験を開始した。これは、自動音声翻訳技術の精度向上と同技術を活用した地域観光振興を進めるため総務省が取組むプロジェクトで、北海道、関東、中部、関西、九州で展開している。中部地域では1月5日から2月28日まで、約310台の携帯端末を旅館やホテル、観光施設など約110施設に設置し、外国人観光客とのコミュニケーションツールとしての有効性を調査する。

 携帯端末には、日本語と英語、中国語、韓国語を相互に文字と音声で翻訳する音声認識翻訳機能を始め、レストランのメニューなどを付属のカメラで撮影すると文字として認識、翻訳される写真認識翻訳などを搭載している。このほか、観光情報を多言語で読んだり、目的地として設定した観光施設までの出発地からのルートを地図で表示できる。日本発の日本語、英語、中国語、韓国語での地図と乗換案内のナビゲーションシステムの実装は日本で初めてとなる。

 今回、JTB中部は実験の実施運営を担当し、情報通信研究機構が音声翻訳エンジンを提供、駅探は音声翻訳に加えて観光情報やナビゲーションのシステムをまとめる。こうした専門分野をもった異業種で取り組むことにより、より効果的に実証実験を推進するねらいだ。