09年の海外旅行者数は1545万人予想、来年は1660万人−旅行マインド上向きに
財団法人日本交通公社(JTBF)は12月16日に開催した旅行動向シンポジウムで、2009年の海外旅行者数が前年比3.3%減の1545万人との予測を発表した。夏の予測よりも25万人微増となり、女性を中心とする観光性需要がプラスに働いたとする。2010年の予測は7.4%増の1660万人。
JTBF主任研究員の黒須宏志氏は今年の旅行需要に影響を与えたものとして、景気後退と新型インフルエンザに加え、高速道路料金の休日1000円化をあげた。景気後退と新型インフルエンザは「過ぎれば戻る」が、高速道路料金の割引は「需要の平準化の流れを逆転し、平日需要が減少した」として「やっかい」と表現。調査によると、2人に1人が料金割引を利用して日帰り旅行をしたことから「安くなれば出かける。マーケットに割安になるのは良いことという価値観があり、厳しい」とする。
しかし海外旅行は「全市場の1割程度で、経験値の高い人たちが席巻している」とし、オピニオンリーダー層への調査で旅行意欲が昨年よりも高い回答が多かったことから、「旅行マインドは底を打ち、戻りかけている」と追い風が吹いていることを示した。パスポートの発給数も伸びており、「ポテンシャルが膨らんでいる」とする。ただし今年、17.4%減と大きく減少した旅行単価は、今後も収入減少のため上昇は期待できないとの考えだ。
また、2010年の成田空港と羽田空港の容量拡大については、国際線座席供給量の増加は2010年第2四半期で0.1%増、第3四半期で1.1%増程度と試算。新規就航路線があるものの、日本航空(JL)の路線削減で相殺され、需要の押し上げには繋がらないと見ている。方面別では欧州、北米、オセアニアで増加が見込まれるものの、北東アジアと東南アジアが減少する見込みだ。
なお、2010年の国内宿泊数は0.2%増の見通し。引き続き、高速道路料金割引の効果は継続するが、減少した平日需要の取り戻しが必要だとする。また、訪日外国人数は2009年が19.8%減の670万人で、2010年は18.7%増の795万人の予想。欧米のビジネス需要は弱含みの推移だが、アジアのビジネス需要がカバーし、特に中国のビジネス需要は47.3%増、韓国は31.7%増を予想する。
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◆09年の出国者数予測、1520万人で変わらず−危機後はミドル層の影響強まる(2009/07/22)
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しかし海外旅行は「全市場の1割程度で、経験値の高い人たちが席巻している」とし、オピニオンリーダー層への調査で旅行意欲が昨年よりも高い回答が多かったことから、「旅行マインドは底を打ち、戻りかけている」と追い風が吹いていることを示した。パスポートの発給数も伸びており、「ポテンシャルが膨らんでいる」とする。ただし今年、17.4%減と大きく減少した旅行単価は、今後も収入減少のため上昇は期待できないとの考えだ。
また、2010年の成田空港と羽田空港の容量拡大については、国際線座席供給量の増加は2010年第2四半期で0.1%増、第3四半期で1.1%増程度と試算。新規就航路線があるものの、日本航空(JL)の路線削減で相殺され、需要の押し上げには繋がらないと見ている。方面別では欧州、北米、オセアニアで増加が見込まれるものの、北東アジアと東南アジアが減少する見込みだ。
なお、2010年の国内宿泊数は0.2%増の見通し。引き続き、高速道路料金割引の効果は継続するが、減少した平日需要の取り戻しが必要だとする。また、訪日外国人数は2009年が19.8%減の670万人で、2010年は18.7%増の795万人の予想。欧米のビジネス需要は弱含みの推移だが、アジアのビジネス需要がカバーし、特に中国のビジネス需要は47.3%増、韓国は31.7%増を予想する。
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