HIS、09年10月期は営業利益2割増−今期は増収増益へ、店舗統廃合も

旅行事業では各種の価格戦略を展開したほか、チャオプレッソとプレミアム・チャオを新たなブランドとして開始。法人・団体旅行への取り組み、オンライン販売の強化、海外店舗の拡充などを強化。海外発の海外旅行手配業務も、デリーやマニラなどで新たに取り扱いを開始した。
こうした取り組みにより、取扱人数は13.6%増の277万6000人に増加。日本人出国者数に占めるシェアは、推計で3ポイント増の18.0%となった。ただし、韓国など「安・近・短」の方面にレジャー需要が集中したほか、新型インフルエンザの影響や、燃油サーチャージの値下がりによる目減りもあり、旅行事業の売上高は11.6%減の3233億3900万円となった。営業利益は24.4%増の106億200万円であった。
2010年10月期(2009年11月1日〜2010年10月31日)の連結業績は、増収増益を予想。通期での売上高は11.7%増の3630億円、営業利益は9.3%増の78億円となる見込みだ。HIS代表取締役社長の平林氏は、「今年減少した燃油サーチャージ額の値上げや、新型インフルエンザなどの外的要因からの回復を予想した数値」と話す。また、人数ベースでは、競争激化を示唆しつつも「デフレ傾向や単価下落傾向で売上よりも伸ばせるだろう」と見通した。詳細は下表を参照のこと。
▽店舗戦略、海外は展開積極化、国内は統廃合含め15店舗増へ
2010年度、HISでは店舗展開を引き続き積極的に進める方針だ。現在海外では約100店舗展開しているが、通年で30から50店舗の開設に向け準備している。一方、国内店舗では「今まで以上に大胆な改革」を進め、統廃合を含めた店舗展開をはかる。具体的な内容について明言は避けたが、駅前の大規模店舗を見直す可能性を示唆。ただし、統廃合後には15店舗を純増する予定だ。
また、現在インターネット販売が売上高に占める割合は17.3%と店舗販売のシェアが高いが、「ネット販売への投資は店舗とは別に考えている」と説明。「インターネット販売は前年比1.5倍以上の伸び率で伸びており、今後も拡大していく」との見方で、今後もインターネット販売には注力していく。特に最近性能が高まっている携帯電話を通じた販売を拡大する方針だ。
※訂正案内 (12月17日11時50分 編集部)
訂正箇所:2010年10月期の連結業績予想
誤:営業利益は9.3%減の78億円
↓
正:営業利益は9.3%増の78億円