観光分野初の事業仕分け、休暇取得分散化は「大幅縮減」

  • 2009年11月27日
 観光関連分野では初となる事業仕分けが11月26日に実施された。対象となったのは「休暇取得・分散化促進実証事業」で、結果的に「予算要求額の大幅な縮減」の判断が下った。廃止と評価した仕分け人がいた一方、「事業自体の必要性はある。目的自体は観光に寄与する」とも評価された。また、「この事業自体が仕組みづくりの第一歩なのであれば、第一歩としてのあり方に再検討の要請がある」とのコメントもあり、事業自体の洗い直しが提示された。

 今回の実証事業は、子供と親の休暇をマッチングさせて家族の時間を作り出すことが観光につながるとの考えに基づき、制度化に向けて観光庁が主体となってその効果や課題を検証するもの。ただし、観光促進効果ではなく家族の時間を作り出すことが主目的であるため、「子供の休みについてなら文科省、働き方なら厚労省になる。なぜ国交省の管轄なのか」「観光促進がねらいなら別のアプローチが必要では」などの発言がなされた。

 これに対して観光庁側は、休暇取得がワーク・ライフ・バランスの一部であり、「政府全体で取り組む中のひとつとして動いている」と説明。さらに、独自に実施したアンケートで、家族の時間が増えれば旅行したいと答えた親が半数を占めたことなどを挙げ、休暇取得の促進が観光にプラスになることをアピールした。

 なお、休暇取得についての議論の機会自体がこれまでほとんどなかったことから、「議論できたことだけでもよかった」と話す仕分け人もいた。

 最終日となる27日には「観光を核とした地域の再生・活性化事業」、「訪日外国人3000万人プログラム第1期事業」などの観光関連分野について事業仕分けが実施される。