「クロ・スロ・ハン」、3ヶ国周遊ルートを継続提案−課題解決に向け一丸

ハンガリー政府観光局局長のコーシャ・バーリン・レイ氏は「日本人の旅行形態を考えると、ヨーロッパはフランス・イタリアを除いてモノ・ディスティネーションは難しい」とし、パールロードを提案することで「3ヶ国が協力して日本人の誘致に努めたい」と意欲を述べた。同氏によると昨年10月に開催された1回目のセミナー以降、パールロードを巡る商品は作られたものの、まだ市場には浸透していないとの認識。今後は引き続き旅行会社にツアーの造成を呼びかけると共に、メディアでの露出増をめざしプレスツアーの実施を検討しているという。
▽「パールロード」に対する各国の期待
クロアチア政府観光局日本代表のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏は、クロアチアは日本人旅行者は増加しているものの、その多くがドゥブロヴニクに集中していると指摘。パールロードは、日本人を北部に誘致できるメリットあり、セミナーでは首都ザグレブ周辺やスラヴォニヤ地方を訴えた。
また、スロヴェニアは宿泊日数の増加が課題。スロヴェニア政府観光局マーケティング・マネージャーの石毛照栄氏によると、2008年の日本人渡航者数は前年比58%増の3万8796人で、今年も6月を除いてプラスに推移しており、8月は37.3%増の5716人となっている。渡航者数が増えた一方、平均宿泊日数は1.4泊とまだ低いため、パールロードのモデルルートでは2泊の滞在を訴えた。
ハンガリーはブダペストの一極集中を崩すのが狙いだ。コーシャ氏によると、現在の数ヶ国周遊パッケージはブダペストやプラハが組み込まれた商品がほとんどで、ブダペスト以外の選択肢が無いため、リピーターが参加しにくいのが現状であるという。そのためパールロードでペーチを中心としたハンガリー南部を紹介し、リピーターの取り込みをめざす。
▽関連記事
◆クロアチア・スロヴェニア・ハンガリー、新周遊ルートを提案、共同プロモ開始(2008/10/16)