阪急交通社が業績好調、メディア販売と価格戦略奏功−第4四半期てこ入れも
阪急交通社広報部では、メディア系旅行会社として市場の動向に合わせて集客できたことで、「厳しい中でも比較的業績は保てている」と説明。また、新型インフルエンザ禍の後、7月から早めの「反転攻勢」をかけたほか、需要喚起のために「質を保ちつつ代金を引き下げている」ことが奏功したとの分析だ。単価を下げながら取扱高を増加するためには、取扱高の増加率以上にボリュームを拡大する必要がある。詳細な数字は明かさなかったものの、「8月、9月は相当な伸び」であったという。
今後の見通しとしては、「年末までは9月ほどではないものの、前年を上回っている」という。課題は1月から3月の第4四半期との認識で、この時期の掘り起こしのため5年ぶりにトラピックスで学生向けの商品を設定。東京と関西発で「添乗員付きで気軽に参加でき、かつ学生価格」を打ち出して取り込みをはかる。
なお、第2四半期にプラス成長したのは、阪急交通社とJTB以外ではクラブツーリズムの8%増134億8159万8000円のみ。クラブツーリズムは、上半期でも7.8%減の234億2691万3000円で阪急交通社の次につけている。また、上半期に1000億円以上の取扱額を達成した会社で取扱額の減少が20%以内に収まったのは、阪急交通社以外ではエイチ・アイ・エス(HIS)の15.7%減1346億3384万円のみ。たった3社の数値で判断すべきものではないが、阪急交通社の説明のように市場動向に臨機応変に対応しやすい業態の会社が比較的好調、あるいは堅調な業績を残している可能性がありそうだ。