全日空、太平洋路線のジョイントベンチャーに向け準備、オープンスカイ見据え

  • 2009年11月16日
 全日空(NH)の専務取締役執行役員の岡田圭介氏は、同社のスターアライアンス加盟10周年にあわせて開催した記者会見で、加盟航空会社と太平洋路線でのジョイントベンチャーについて、ATIの容認がない現状「許される範囲内での検討をしている」と語った。これは、記者席からオープンスカイ後の太平洋路線でのジョイントベンチャーに対する見通しについての質問を受けた発言。既にスターアライアンスでは、エア・カナダ(AC)とユナイテッド航空(UA)、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、コンチネンタル航空(CO)が大西洋路線でジョイントベンチャー「アトランティック・プラス・プラス」を実施しており、「同じ連合に身を置く航空会社として、来るべきときに備える」と説明する。

 岡田氏は、アライアンスが規模からサービスの追及へ深化しているとし、ジョイントベンチャーにより、さらに旅客の期待に応えられると説明。例えば、太平洋路線のスケジュールについて「現在のNHとUA、COの出発時刻はほとんど同じだが、1時間おきに出発した方が旅客にとっては便利なはず。個社単位では難しいが、ジョイントベンチャーで売上を分けあうことができれば可能」として、ジョイントベンチャーのもたらすメリットをアピールとともに、実現後の様相をにおわせた。


▽スターアライアンスCEOのアルブレヒト氏、競争を支持する立場を強調

 同会見にはNHの加盟10周年にあわせて来日した、スターアライアンスCEOのヤーン・アルブレヒト氏、バイス・プレジデント・コーポレート・オフィスのクリスチャンクリック氏も出席。アルブレヒト氏はスターアライアンスのビジョンや方針を説明するなかで、アライアンスが加盟航空会社の競争を支持する立場にあることを強調した。現在、3つのアライアンスがあるが、すでに全航空の3分の2がアライアンスに加盟していることから「航空業界の中でアライアンスは大切なシステム。競争も厳しくなっている」とアピールした。