アクセスランキング、NH新ブランド−海外で日本の魅力知らされる

  • 2009年11月14日
[総評] 今週の総評は、出張先のバンコクからお送りします。アマデウス・アジア・パシフィックが開催した、メディア・ブリーフィングに出席しました。約10ヶ国から参加したメディアに対し、アジア太平洋地域の旅行業界を取り巻く環境について現状と2010年の見通し、そしてその中での同社の戦略について説明を受けました。航空会社の直販化傾向とその中で旅行会社が取るべき道についての指摘は、業界内のこれまでの議論を掘り下げるような具体的な論拠や説明があり、また他国の市場についての情報を得られたことはとても有意義でした。内容については追って記事を掲載します。

 また、各国からの参加者との情報交換も意義深いものでした。その中でも特に強い印象を受けたのは、日本の観光魅力の人気です。10数名の記者やアマデウスの担当者の方とお話したのですが、特に食事の人気が高く、レストランも食材も調理法もすべてが「世界最高」だそうで、あまりの大絶賛に嬉しさを通り越して少し恥ずかしくなってしまうほど。日本のベーカリーや北海道の牛乳など、これまで外国人旅行者向けだと思わなかったようなものも話にのぼりました。旅館での宿泊など食事以外の魅力も素晴らしいとのことです。

 日本は国を挙げて観光立国をめざしていますが、なかなか国民レベルで浸透しているとは思えません。自信を持ちにくい国民性、あるいは政治に無関心な社会特性などの要因があるかもしれませんが、受け入れ態勢整備の一環として、「自分たちの国は実際にこれほど評価されている」と感じられる機会を提供することも重要と感じました。

 さて、今週の1位は全日空(NH)の新ブランドについての記事が入りました。長距離国際線で各クラスのシートの居住性を向上するほか、顧客サービスをより“パーソナライズ”する方向性を打ち出したものです。「自分のためだけのサービス」が心地よいのは言うまでもありません。

 旅行会社は、航空会社のように移動そのものを販売するのではなく、移動する「機会」を販売しているわけですが、航空会社が座席クラスを分けているように、旅行会社がサービスレベルによって価格を差別化することも今後は進んでいくと思われます。LCCのようにサービスをそぎ落とし、そのことをお客様に理解していただいた上で価格で勝負する手法もありえるかも知れません。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング(11月第2週:11月9日11時〜11月13日18時)
第1位
全日空、新ブランドで競争力強化へ−旅客目線でサービスを刷新(2009/11/11)

第2位
ANAセールス、代理店への保証金増額−ANTA、国内線コミッション含め協議へ(2009/11/9)

第3位
10月の旅行業倒産件数は5件で負債総額13億1900万円−10億円規模倒産が1件(2009/11/12)

第4位
日本航空、冬のボーナスなし−西松社長が労組に方針説明(2009/11/10)

第5位
全日空、新B777型機は全クラスで居住性を向上−Cクラスはフルフラットに(2009/11/11)

第6位
ベトナム航空、関空/ハノイ線に就航へ−JLの運休を補完(2009/11/10)

第7位
キャセイパシフィック航空、IIT運賃を主要路線で廃止−公示運賃化へ(2009/11/13)

第8位
日本航空、燃油サーチャージを据え置き−10年1月から3月分(2009/11/9)

第9位
KNT、第3四半期は純損失95.5億円−9月大型連休は国内外ともに好調(2009/11/11)

第10位
シンガポール航空、羽田/シンガポール線運航へ−来年10月から1日2便(2009/11/13)