フィンランド、「フェスティバル」で誘客−中長期的なプロモーション展開へ

アンベルラ氏は「フィンランドのフェスティバルがニッチなのは確か」としつつ、一定の需要があると期待する。日本市場では、フェスティバル以外の目的でフィンランドを訪れ、現地のアクティビティとしてフェスティバルを選択する旅行者と、フェスティバル自体を目的とする旅行者をターゲットに設定。後者は「かなり少ない」ものの、例えばサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルは日本人のオペラファンへの認知度も高く、毎年日本からの参加者がフィンランドを訪れているという。
日本人参加者獲得に向け、2010年から2ヵ年のプロモーション計画を始動。これは、多数のフェスティバルの中から9件を選び、集中的なプロモーションを実施するもの。9件は、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルのほか、クラシック、ポップ、舞台劇など幅広いプログラムを提供するフィンランド最大のヘルシンキ・フェスティバルなど。また、日本でも人気の高い映画監督であるカウリスマキ兄弟が創設した映画祭も含んでいる。
計画では、来秋をめどに各フェスティバルから担当者が来日してワークショップを開催するほか、旅行会社やメディアを対象にFAMツアーも実施する予定。また、宿泊とフェスティバルのチケット、送迎などをセットにしたパッケージも各フェスティバルで準備する予定だ。今回の来日では、ツアーオペレーターを中心にセールスコールを実施しており、好感触を得られたという。なお、計画期間が「2年では短い」ことから、「3年から5年は続ける」と継続的な取り組みへの意欲を語った。