ニュージーランド航空、FITキャンペーン展開、プレシニアをターゲットに

  • 2009年11月5日
 ニュージーランド航空(NZ)は、個人販売を手がける旅行会社を対象に開催したFITセミナーで、好奇心旺盛なプレシニアへのアプローチを強化していく考えを示した。マーケティング本部長の日下部真一氏によると、ニュージーランドを訪れる日本人観光客は周遊型のパッケージツアーに参加する安全志向なシニアが主流だが、ここ1、2年にかけてFITが増加しているという。

 そこでNZでは2007年下期に約2000人にアンケートを実施。購買パターンやニーズから、主力の「元気で安全志向なシニア」のほか、子連れの「リッチな仲良し家族」、アラサー、アラフォー女性の「目的志向+よくばり型」、そして「好奇心旺盛なミドル以上のプレシニア」を有望ターゲット層として絞り出し、特に時間や金銭的に比較的余裕のあるプレシニアを重要ターゲットと位置づけた。旅行ニーズを分析したところ、「日本ではできない体験」と「自分らしい自由な旅」のキーワードが見えてきたという。

 これを受けNZでは、プレシニアに向けてトレッキングやカヤックといったアクティビティや、セルフドライブ、ドルフィンスイムといった体験型の旅を打ち出したプロモーションを展開していく。日下部氏は「美しい自然、世界遺産が豊富、安全で安心といったプラスイメージを持たれながら、デスティネーションとしての決定打に欠けていた」と語り、「曖昧なイメージではなく、日本ではできない初めての体験を具体的に提案して、既存のイメージを打破したい」とねらいを話す。

 まずは09年のプロモーションの一環として、国内4都市への国内線を無料にするスペシャルキャンペーンを開始。最大3万円から4万円の割引に相当するもので、対象は12月31日予約分まで。ニュージーランドを訪れる日本人の数は、ここ数年は10万人前後で推移してきたが、今年は新型インフルエンザや不況の影響で8万人程度まで落ち込む見通しだ。これからベストシーズンを迎えるにあたり、旅行会社にはキャンペーンを活用して旅行者の動機付けにつなげてほしいと話した。

 なお、セミナーでは現地ランドオペレーターのリアル・ニュージーランド代表の藤井巌氏が、ニュージーランドで体験できるアドベンチャー・ツーリズムの現状をスピーチ。ラグジュアリー・ロッジ「テラス・ダウンズ」や、オプショナルツアー例も紹介した。