全日空、中間期は30年ぶりの営業赤字−国際線売上高は40%減

航空事業は、売上高が19.0%減の5400億円、営業損益が287億円の赤字(482億円の黒字)。国際線旅客事業では、新型インフルエンザによる業務渡航の自粛、海外旅行取りやめなどで厳しい状況となった。旅客単価は64.9%減となり、売上高は燃油サーチャージの値下がりもあって39%減の1009億円となった。旅客数は6.4%減の218万6000人であった。ただし、座席供給量をあらわす有効座席キロ(ASK)を5.3%減と絞り、需要をあらわす有償旅客キロ(RPK)は6.0%減であった結果、利用率は0.6ポイント減の72.4%にとどまった。また、8月以降は「回復の兆しが若干見えている」という。なお、国内線は売上高が12.9%減の3244億円、旅客数が9.3%減の2020万6000人となり、単価は4%減少。利用率は3.4ポイント減の60.8%となった。
このほか、旅行事業では国内旅行、海外旅行ともに売上高がマイナス成長し、事業全体では売上高が14.5%減の875億円、営業損益が6億円の赤字(2億円の黒字)。また、インフィニ・トラベル・インフォメーションは7月以降の海外旅行需要の伸びを受けて利用件数が増加し、増収となった。
NHではこうした結果を受け、通期の業績予想を下方修正。下半期は「景況感に回復の兆しは見られる」としつつ、「先行きへの不透明感は払拭されず、需要および単価が当初想定以上に回復に時間を要する」と予測した。詳細は下記を参照のこと。
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