全日空、国内線コミッション廃止/削減へ−旅行会社と交渉開始、11年度まで
全日空(NH)は、10月30日に発表した次期経営戦略(次期戦略)の骨子の中で、国内線コミッションを見直す方針を示した。NH上席執行役員企画室長の岡田晃氏は、「今後、代理店と削減についての具体的な話をしていきたい」と明言。現在の5%から削減するか完全に廃止するかの判断は「NHだけの話ではない」ことから、旅行会社などとの協議次第と説明。すでに旅行会社への打診を始めたところという。
実施時期も未定であるものの、次期戦略は2010年度と2011年度を対象年度としており、遅くとも2011年度の実現をめざすと見られる。経営再建をめざす日本航空(JL)もコスト削減は急務で、追随する可能性は十分にある。旅行会社にとっては、日系航空会社が4月に国際線でコミッションを廃止してから1年もたっておらず、フィービジネスも確立できているとはいいがたい中で、反発が予想される。
国内線はオンラインの直販が進んでおり、代理店が占める割合は国内線旅客事業の収益の約3割だが、NHが支払うコミッションの額は小さくない。仮にコミッションを廃止した場合のコスト削減効果を計算すると、2008年度の国内線事業の収益が6993億円で、代理店経由は約3割の2098億円となり、コミッションは105億円となる。次期戦略では、2010年度で1000億円規模の収支改善を盛り込んでおり、国内線コミッションの見直しにかける期待は大きいと考えて良いだろう。なお、08年度の国際線コミッションを同様に計算すると116億円程度で、同程度の削減効果が見込めることがわかる。
なお、次期戦略では、「その他あらゆる販売関連費用の削減」も掲げており、ボリュームインセンティブなども含めて見直しを進める考えだ。
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国内線はオンラインの直販が進んでおり、代理店が占める割合は国内線旅客事業の収益の約3割だが、NHが支払うコミッションの額は小さくない。仮にコミッションを廃止した場合のコスト削減効果を計算すると、2008年度の国内線事業の収益が6993億円で、代理店経由は約3割の2098億円となり、コミッションは105億円となる。次期戦略では、2010年度で1000億円規模の収支改善を盛り込んでおり、国内線コミッションの見直しにかける期待は大きいと考えて良いだろう。なお、08年度の国際線コミッションを同様に計算すると116億円程度で、同程度の削減効果が見込めることがわかる。
なお、次期戦略では、「その他あらゆる販売関連費用の削減」も掲げており、ボリュームインセンティブなども含めて見直しを進める考えだ。
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