アクセスランキング、KNT中計が具体化−航空関連でも大きな動き

  • 2009年10月31日
[総評] 今週の1位は近畿日本ツーリスト(KNT)が北海道と九州地区で法人旅行事業を分社化したニュースとなりました。地域に密着し、地域の特性に対応した営業の展開をめざすものです。ニーズのあるところに最適な商品・サービスを最善の方法で、かつ安価に提供することは、ビジネスの理想的なかたちです。

 経済学では、消費者が物・サービスを購入する場合、得られる満足を予算の許すかぎり最大化しようとすることを基本的な前提としています。同じ価格の物であれば、より高い満足度を得られる方を選ぶということです。「満足」といってもあいまいですが、旅行業界に当てはめた時、満足度を左右するのは、旅行に出発してから帰宅するまでの体験だけではないのではないでしょうか。例えば旅行会社のカウンターで、スタッフの方がお客様の気持ちを的確に察した上で、優れた提案、手配をすることができた場合、同じ物・サービスの売買であってもお客様の満足度は変化するはずです。

 IT技術の進歩やインターネットのさらなる高機能化によって、旅行関連の物・サービスのオンラインでの機械的な流通はさらに進むと予想されます。利便性、低コストによる低価格などの特徴から、海外旅行の分野でも支持を拡大していくことは間違いないでしょう。そのような環境の中で「リアル」の旅行会社が進むべき道の一つは、お客様のニーズに有機的に応えることに主眼を置き、「人」だからこそのサービスを磨き上げることであると思います。

 また、今週は日本航空(JL)の再建計画が企業再生支援機構にゆだねられたことや、コンチネンタル航空(CO)のスターアライアンス加盟、エティハド航空(EY)の成田・中部への就航表明など、航空関連の大きな話題も複数ランクインしています。このうちJLの取材中、JAL再生タスクフォースサブリーダーを務めた冨山和彦氏が、「強烈な情熱」を持ったJLの若手中堅社員の方々に大きな期待を示されていたことが印象的でした。

 旅行業界に限らず、何かをする上で「情熱」や「想い」は非常に重要な要素です。激動の旅行業界の中で、トラベルビジョンは今後も業界内の「人」、つまり皆様の「情熱」に焦点をあて、応援し、盛り上げていきたいと考えています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング(10月第5週:10月26日11時〜10月30日18時)
第1位
「KNT北海道」「KNT九州」設立へ−団体旅行事業分社化、地域密着営業を展開(2009/10/26)

第2位
コンチネンタル航空、スターアライアンス加盟−コードシェア契約も順次開始(2009/10/28)

第3位
KNT、希望退職は192名−転身支援金7億円の特損、12億円の費用削減見込む(2009/10/26)

第4位
鳩山首相も「羽田ハブ化」−所信表明、観光分野の雇用と需要創出にも言及(2009/10/27)

第5位
アシアナ航空、茨城/仁川線スケジュール決定−旅行会社経由の販売を重視(2009/10/27)

第6位
成田・保安サービス料、反発しつつ対応進める−JATAは週内にも航空局に要望(2009/10/28)

第7位
国交省成長戦略会議、LCCや首都圏空港の拡充など議論−11年度予算に反映へ(2009/10/27)

第8位
トルコ航空、成田・関空路線増便で日本市場拡大へ−デイリー運航めざす(2009/10/26)

第9位
エティハド航空、2010年2月に中部、3月に成田へ乗り入れ(2009/10/30)

第10位
「日本航空は再生可能」−JALタスクフォース、若手中堅社員の活躍に期待(2009/10/30)
JAL再建は再生支援機構を活用へ−前原大臣、運航継続を重要視(2009/10/30)