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「日本航空は再生可能」−JALタスクフォース、若手中堅社員の活躍に期待

  • 2009年10月30日
 日本航空(JL)の再建計画策定を目的とした前原誠司国土交通大臣の直轄組織「JAL再生タスクフォース」は10月29日、資産査定と再建計画案を添付した調査報告書を前原氏に提出した。結果的に、企業再生支援機構(支援機構)を活用することになり、支援機構独自の再建計画を策定することになったため、タスクフォースの計画案の詳細は示されなかったが、タスクフォースリーダーの高木新二郎氏は「確実に再生は可能」と断言。また、タスクフォースサブリーダーの冨山和彦氏も「人材面、事業基盤面などを考えていくと、事業的、戦略的、組織的な潜在力は非常に高い」とし、課題を乗り越えられれば「非常に筋肉質でよりスマートな航空会社になる」と強調した。

 タスクフォースが提出した再建計画案の概要について説明した冨山氏は、「JLは一つ間違えれば会社がなくなってしまうのでは、というほどの危機的状況」と指摘。一方、「これだけのシェア、成田・羽田を中心とする成長力のある空港で大きなポジションを持っている。また、若手になればなるほど、厳しい待遇、また経営環境も厳しい中で高いモチベーションを持って働いている人たちのほうが多い」と語り、このような事業基盤、人材を考慮すれば、潜在力は大きいと分析。その上で、この危機こそが、「過去何十年引きずってきたレガシーコストと決別する最後かつ最大のチャンス」と強調した。

 潜在力を発揮するための方法としては「3つの過剰」の解消が必要と言及。これは、「古い大型機材の持ちすぎ」「多すぎる路線」「肥大化した組織」が課題との考えで、「これらのダウンサイズは一体的に、かつ急いで徹底的にやらなければならない」と語った。また、こうした再建を進める上で、特に若手中堅社員がカギを握ると指摘。若手中堅社員であれば「お上志向」「内向き志向」「先送り体質」といった「組織風土の負の遺伝子」にしばられずに、情熱を持って改革を進められるとの考えだ。

 冨山氏は、「今回、短い時間で完成度の高い計画案が出来上がっているのは、若手中堅社員が寝食を忘れて強烈な情熱を持って骨格を作り上げてくれたことが理由」と紹介。その上で、「50代前後から下には相当良い人材がいる」とし、「願わくばこの次の経営陣は、この世代からかなりの人たちが(入って)新しいJLを担っていってもらえたら素晴らしい」と語った。


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