国交省成長戦略会議、LCCや首都圏空港の拡充など議論−11年度予算に反映へ

今回は、座長を務める武田薬品工業代表取締役社長の長谷川閑史氏と、座長代理のボストンコンサルティンググループ日本代表の御立尚資氏がプレゼンテーションを実施。御立氏は、日本航空(JL)で14年以上勤務した経験も踏まえて、航空に関する論点を整理。まず、基本的な姿勢として「鉄道を含めた交通ネットワーク全体での利便性」や、価格と価値のバランスの選択可能性、安全性など消費者の視点が重要と指摘。また、航空業界だけでなく、日本全体の成長を見すえるべきとし、空港拡張や維持、管理などでの費用対効果の高い国民負担のあり方なども留意が必要と語った。このほか、東アジア域内での航空自由化が進む可能性など、将来的に起こり得る変化を先読みした議論も求めた。

こうした指摘に対して、出席した委員からは賛意が多く聞かれた。慶應義塾大学商学部教授の中条潮氏は、「羽田のハブ化はこれまでなぜできなかったか。官僚が抵抗したと言われるが、政治家も抵抗していた」と指摘し、「政権交代は千載一遇のチャンス」と強調した。
なお、長谷川氏のプレゼンテーションは「日本の成長戦略」と題して、繁栄と衰退の岐路に立つ日本は、質的成長と量的成長をバランスよく進めるべきと論じた。また、課題解決策としては、縦割行政の打破や成功事例の有効な活用、ロードマップの策定、国民への説明責任の遂行などを挙げた。