「国際線は成田」、前原大臣と森田知事が会談−国益優先で一体的活用へ
国土交通大臣の前原誠司氏は10月14日、千葉県知事の森田健作氏と会談した。前原氏が羽田空港を24時間国際ハブ空港化する方針を示したことを受けたもので、森田氏によると前原氏と「(羽田空港と成田空港の)両空港を一体的にとらえ、合理的なすみわけをする」「これからは互いに誤解のないよう意思疎通をはかる」ことで合意。また、国内線は羽田、国際線は成田とする「内際分離」の原則も確認できたという。森田氏は「報道(による情報)が断片的で、誤解している部分があった」とし、「千葉に対する思いやりを十分感じた。ほっとした」とコメント。成田市など地元自治体の理解も得られるとの見方を示した。
「一体的活用」「合理的すみわけ」について森田氏は、「これからの話し合いで国益を考えてお互いに譲り合う」と方向性を説明。譲り合いは例えば、「長距離線は成田、東南アジア(など短中距離線)は羽田とする、また深夜早朝を羽田に譲る」ことなどを指し、議論次第では羽田の昼間時間帯での欧米線も可能性があるとした。また、私見としつつ「成田はまずは長距離線を担うべき。短路線は羽田とも協議しながら合理的すみわけができるのではと感じている」と語った。
ただし、具体的な協議の進め方などは明らかにされておらず、成田空港と一体的な活用をする中での「羽田空港のハブ化」がどのように進むかは依然として不透明だ。あえて「ハブ化」の表現を使ったことは、旧政権が進めてきた従来の方針を踏襲しない意向が読めるが、内際分離を原則とすれば、羽田空港の増枠分11万回のうち約6万回を国際線に振り分ける方針から大きく踏み込んで国際線の比重を高めることは困難だろう。
また、前原氏も13日の会見で触れたとおり各国との航空交渉も進めてきており、すでに合意済みの国も多い。大幅な方針転換をすると航空交渉をしなおす必要が出るが、成田空港の再拡張が完了する来年3月までに新しい方針の決定や各国との交渉を終えることは難しい。仮に羽田の国際化を進めるとすれば、現在決まっている枠組みは当面維持しつつ、羽田の第4滑走路が完成する来年10月までに新方針策定や関係各所との調整を進めることになると考えられる。国土交通副大臣の辻元清美氏も14日の会見で、「空港のあり方や航空行政全般を見直す曲がり角に来ている。空港に関する問題を一から議論する時期」と語っており、具体的な方向性が判明するには今しばらく時間がかかりそうだ。
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◆前原大臣、羽田をハブ空港に−成田との一体的運用は変えず「WIN-WIN」で(2009/10/14)
「一体的活用」「合理的すみわけ」について森田氏は、「これからの話し合いで国益を考えてお互いに譲り合う」と方向性を説明。譲り合いは例えば、「長距離線は成田、東南アジア(など短中距離線)は羽田とする、また深夜早朝を羽田に譲る」ことなどを指し、議論次第では羽田の昼間時間帯での欧米線も可能性があるとした。また、私見としつつ「成田はまずは長距離線を担うべき。短路線は羽田とも協議しながら合理的すみわけができるのではと感じている」と語った。
ただし、具体的な協議の進め方などは明らかにされておらず、成田空港と一体的な活用をする中での「羽田空港のハブ化」がどのように進むかは依然として不透明だ。あえて「ハブ化」の表現を使ったことは、旧政権が進めてきた従来の方針を踏襲しない意向が読めるが、内際分離を原則とすれば、羽田空港の増枠分11万回のうち約6万回を国際線に振り分ける方針から大きく踏み込んで国際線の比重を高めることは困難だろう。
また、前原氏も13日の会見で触れたとおり各国との航空交渉も進めてきており、すでに合意済みの国も多い。大幅な方針転換をすると航空交渉をしなおす必要が出るが、成田空港の再拡張が完了する来年3月までに新しい方針の決定や各国との交渉を終えることは難しい。仮に羽田の国際化を進めるとすれば、現在決まっている枠組みは当面維持しつつ、羽田の第4滑走路が完成する来年10月までに新方針策定や関係各所との調整を進めることになると考えられる。国土交通副大臣の辻元清美氏も14日の会見で、「空港のあり方や航空行政全般を見直す曲がり角に来ている。空港に関する問題を一から議論する時期」と語っており、具体的な方向性が判明するには今しばらく時間がかかりそうだ。
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