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VWC、重点市場にカナダとトルコ−澤邊室長、「明るいムード作りたい」

 ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)は、2009年度下期から重点デスティネーションとしてカナダとトルコへの旅行需要喚起に取り組む。10月9日に開催したVWC2000万人推進特別委員会で決定した。カナダは市場の復活、トルコは「2010年トルコにおける日本年」も踏まえ、順調な伸びの継続をめざす。日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は、「重点デスティネーション戦略のねらいである旅行会社、航空会社、観光局といったBtoBの関係構築をさらに進めたい」と意気込みを語った。

 2009年度下期の活動計画は、重点デスティネーション戦略以外も主な枠組みは変更せず、「関西・中部地区および地方活性化戦略」「ダイレクト・マーケティングおよびメディア戦略」「市場開発・調査」に取り組む。このうち地方活性化について澤邊氏は、「来年は首都圏空港の再拡張があるほか、旅行会社の商品造成機能も首都圏への集中が進んでおり、首都圏以外はこれまで以上に厳しくなる」と分析。VWCでは、JATA支部との連携によるチャーター利用促進、県や地域単位でのパスポート取得キャンペーン支援、地方での海外旅行関連イベントの支援などを通じ、活性化をねらう。

 また、ダイレクト・マーケティングではVWCの認知度の拡大などを進めるほか、市場開発・調査ではアメリカとクルーズに取り組む。特にアメリカは、「一時期はハワイ、グアムも含めて日本人訪問者数450万人、500万人が当たり前と言われていた」と指摘。その上で「業界の『アメリカ好き』を集めてどう活性化するかが課題」とし、一案として旅行会社の現地法人によるワーキンググループの設置を説明した。また、活性化の戦略として、例えばビジネス客回復に集中的に取り組む可能性もあるという。


▽VWCが後半戦に−「動き続ける」枠組みめざす

 なお、3年間の計画であるVWCも2009年度下期から後半戦となる。澤邊氏はこれまでの期間を振り返り、重点デスティネーション戦略では、BtoBの関係構築で一定の成果が得られていると説明。例えば在日航空会社代表者協議会(the Board of Airline Representatives:BOAR)との関係が密になっているほか、ベトナムでも駐ベトナム日本大使とも連携した観光振興拡大の動きが出来ていることに「手ごたえを感じている」という。また、市場開発・調査のうち、日本の海外旅行市場への新規参入を望む国・地域に対してノウハウを説明する資料を和文と英文で作成している。一方、チャーター促進などについては、特別委員会で具体的な成果が見られないと指摘されたという。

 澤邊氏は、残りの1年半に向け、「(VWCの実施期間である)3年間で実施したことが4年目以降も動き続るようにすることが重要」と強調。重点デスティネーション戦略では、構築したBtoBの関係のなかで、自発的にプロモーションの動きが出てくるようにしたいという。また、ダイレクト・マーケティングやメディア戦略を含めて、「業界全体で明るいイメージを打ち出し、旅行マインドを高めるようなアプローチもしたい」と語った。