トルコ、2010年の日本年で需要の拡大を期待−「欧州文化首都」も活用

  • 2009年9月29日
 トルコ共和国大使館・文化広報参事官室(トルコ政府観光局)は2010年の「トルコにおける日本年」の交流活動の促進と、訪問者数の増加を目指す。 トルコ政府観光局代表のフェルダネ・オズカン・トムソン氏は「2010年は、観光だけでなく経済協力でも二国間にとって明らかに重要な役割となる」とし、交流が活発になることで2010年に市場が拡大していくと予想。大使館としても、来年のイベントに関して全面的にバックアップしていく旨を述べた。

 同氏によると、2009年の日本人訪問者数は前年比10%減の13万人台の見込みで、この2年で初めて落ち込みをみせたという。一方、2010年は、日本年に加えイスタンブールが欧州文化首都に選定された点、バスケットボール世界選手権がトルコで開催される点などをあげ、訪問者数増への期待を語った。

 今後のターゲット層としては、トムソン氏は「トルコは海外旅行初心者よりも、3〜4回経験した消費者が考える旅行先」とし、シニア層に加え、旅行慣れした30〜50代の中年層を対象にアプローチをしていく。また、ファミリーで楽しめる素材は数多くあり、需要に期待を寄せる。


▽イスタンブール、欧州文化首都選定で渡航者数2倍を目指す

 イスタンブール2010年欧州文化首都本部で観光プロモーションディレクターを務めるオズギュル・オズカン・ヤウス氏は、「来年はトルコにおける日本年であるほか、トルコ航空(TK)の増便もあり、日本マーケットに力を入れたい」と意欲を述べた。

 イスタンブールは今後、文化と芸術を打ち出していく方針で、その一環で文化施設の修復や開設を進める。具体的には、トプカプ宮殿博物館に新しい展示スペースを作り、世界第2位の規模という中国・日本の陶磁器コレクションを来年から順次展示する予定。また、来年完成予定の施設として、イスタンブール郊外に文化財の修復・保存のための収蔵庫と展示スペースを兼ね備えた博物館を建設しているほか、プリンス諸島にも島に関する資料館を作る計画だ。