流通経路ではなく「商品」生み出す産業に−JATA国際観光会議
JATA国際観光会議2009が9月17日に開幕し、「アジアツーリズムの新しい潮流を検証」をテーマに議論が交わされた。基調パネルディスカッションでは、「激動のアジアツーリズムと各国の観光戦略」と題して、シンガポールとタイ、日本の観光行政の責任者が、急拡大するアジアの旅行市場における課題や戦略を議論。また、その後開催された旅行会社とオペレーターによるパネルディスカッションでは、そのような市場環境のなかで、アジアの旅行会社が抱える課題や今後の展望が話された。昨年に続きファシリテーターを務めた風の旅行社代表取締役社長の原優二氏は総括として、「企業としての永続的な発展をめざす上で、低価格競争を脱し、質をいかに確保していくかが課題」とし、「流通の中のひとつの役割から脱し、『商品』を基本とした産業として発展していく」べきであると訴えた。
基調パネルディスカッションでは、各国の観光政策の現状と戦略のほか、サステイナブル・ツーリズム、危機管理、政府間の協力体制、LCCの与える影響などの議題について議論。このうち、政府間の協力体制について本保氏は、「どのような分野でどのような協力が可能か、具体的な議論が必要。人材育成や交通機関の問題などは共通の利益を得やすいが、共同でのプロモーションは利害が対立してしまう」と指摘。その上で、「ツーウェイ・ツーリズムは相互の利害が一致しやすく、協力しやすい」と発言した。
一方、旅行会社とオペレーターのパネルディスカッションでは、JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の北島文幸氏とエス・ティー・ワールドグループ代表の鹿島義範氏のほか、マレーシアと中国の旅行会社の代表が登壇。日本の旅行市場の成熟化と旅行者数の減少、ホールセラーなど業態による課題、「安売り」の問題、量的拡大が観光資源に与える影響などを議論。例えば旅行市場の現状についてでは、マレーシアのAOSツアーズ&トラベルグループ代表のアンソニー・ウォン氏から「LCCが本格的に参入すれば必ず拡大する」との意見が聞かれた一方、原氏は総括で「LCCが本格的に参入し、出国者数が大きく増加したとしても、必ずしもそれが旅行会社の発展に結びつくとは限らない」とし、その段階で旅行会社が自らの役割をどう認識しているかが重要と指摘した。
※詳細は後日掲載予定
基調パネルディスカッションでは、各国の観光政策の現状と戦略のほか、サステイナブル・ツーリズム、危機管理、政府間の協力体制、LCCの与える影響などの議題について議論。このうち、政府間の協力体制について本保氏は、「どのような分野でどのような協力が可能か、具体的な議論が必要。人材育成や交通機関の問題などは共通の利益を得やすいが、共同でのプロモーションは利害が対立してしまう」と指摘。その上で、「ツーウェイ・ツーリズムは相互の利害が一致しやすく、協力しやすい」と発言した。
一方、旅行会社とオペレーターのパネルディスカッションでは、JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の北島文幸氏とエス・ティー・ワールドグループ代表の鹿島義範氏のほか、マレーシアと中国の旅行会社の代表が登壇。日本の旅行市場の成熟化と旅行者数の減少、ホールセラーなど業態による課題、「安売り」の問題、量的拡大が観光資源に与える影響などを議論。例えば旅行市場の現状についてでは、マレーシアのAOSツアーズ&トラベルグループ代表のアンソニー・ウォン氏から「LCCが本格的に参入すれば必ず拡大する」との意見が聞かれた一方、原氏は総括で「LCCが本格的に参入し、出国者数が大きく増加したとしても、必ずしもそれが旅行会社の発展に結びつくとは限らない」とし、その段階で旅行会社が自らの役割をどう認識しているかが重要と指摘した。
※詳細は後日掲載予定