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観光庁、観光関連産業リスクマネジメント検討会を開催−より強固な連携を

 観光庁は8月25日、観光関係団体や関係省庁などのメンバーからなる、「感染症発生時における観光関連産業リスクマネジメント検討会」の第1回会合を開催した。これは、4月末に発生した新型インフルエンザの影響で、修学旅行をはじめとする国内外の旅行のキャンセルや延期が発生、観光関連産業が多大な影響を受けたため、関係者間で共有できる対策マニュアルを年内に策定し影響を最小限に抑えることを目的としている。観光庁次長の武藤浩氏は、新型インフルエンザが再び流行し始めていることなどから、「観光産業や関係団体でより強固に連携すべき」と話した。

 今回の検討会では対策マニュアル策定に向けての業務手順を説明。旅行者の情報収集経路の設定から過去の類似事例を調査、比較するとともに新型インフルエンザの各地域での影響を調べる。こうして出てきた課題や参考事例を整理しながら最新情報を収集しマニュアルを策定する。また、日本旅行業協会(JATA)や日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)、京都市や神戸市などが新型インフルエンザによる影響や取り組んだ対策などを報告したほか、神戸市国際文化観光局は新潟中越沖地震や米国同時多発テロ、SARSなどの過去の類似事例と影響、関係各所の対応を紹介した。

 検討会最後の意見交換では、事例研究の進め方やメディアの情報伝達方法などに対する声が挙がった。情報発信にはスピードが必要な一方で正確性が求められることや、その伝え方によって人々に与える印象が変わるため、明確な数値の提供や言い回しを工夫していく必要があるという。また、SARSの事例調査では中国やベトナムなどと比較することで新たな発見や課題があるとの意見もあった。第2回検討会は9月下旬を予定しており、対策マニュアルの素案を作成していく計画だ。