ベトナム航空、地方発チャーター強化−カンボジアと共同出資の航空会社活用

  • 2009年7月17日
 ベトナム航空(VN)はこのほど、日本地域の旅客チャーター代理店としてウエスタン・アソシエイツに販売業務を委託、旅行需要の拡大をめざし地方空港発のチャーター便を強化する。7月15日には都内でチャーターセミナーを開催し、冒頭でVN日本支社日本地区総支配人のグエン・クォック・トアン氏、ウエスタン・アソシエイツ代表取締役の大西知一氏、日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏がそれぞれ挨拶した。大西氏は、最近の定期便減便や運休の動きについて、「チャーター市場にとってはチャンスである」と言及、団体旅行の多い日本市場でチャーター便が新たな可能性をもたらすと期待を寄せた。さらに、VNとカンボジア政府による合弁会社「カンボジア・アンコール・エアー」が7月27日から運用を開始することを発表し、カンボジアを含めたチャーター便の活用をアピールした。この新航空会社は、当面は国内線の運航となるが、いずれは国際線へと発展させていく方針だ。

 チャータープレゼンテーションでは、ウエスタン・アソシエイツ常務取締役の浅野圭子氏が、チャーター便の現状と展開について説明。定期便のキャンセルや地方空港からの撤退、定期便では団体旅行客の取り込みが困難なこと、直行便への高い需要などの要素に加え、アジア・ゲートウェイ構想に基づく航空自由化やITCルールの緩和によって、チャーター市場が徐々にその可能性を広げていることを強調した。また、現在地方空港からの国際線定期便は大半が韓国、中国、台北行きであるといい、チャーター便の重要性を改めて訴えた。

 チャーター便の具体的なメリットとして、日本円による料金の提示や直行便の利便性、修学旅行など大型団体を取り込めることなどのほか、旅行会社や利用客が希望するルートでのアレンジも可能であると説明。浅野氏は一例としてカンボジア・アンコール・エアーの活用を提案し、これにより日本、カンボジア、ベトナムを組み合わせたルートが可能となり、「マーケットのニーズにあった日程」が実現すると自信を示した。さらに、北海道・東北と九州・四国・西日本など2つのエリアから集客をはかることで、チャーター便がより現実的なものになると強調。浅野氏は、「1回限りのチャーターやピーク時のみのチャーターでは満足しない」と語り、定期チャーター便へとつなげる強い意気込みを語った。


※訂正案内(編集部 7月17日 午前10時22分)
訂正箇所:第2段落最終文
誤:VN国際線定期便は23便
 ↓
正:国際線定期便は